由緒
一之宮貫前神社は、上野国(現在の群馬県)の一宮として古くから篤い崇敬を集めてきた古社です。社伝によれば、物部姓磯部氏が氏神である経津主神を鷺宮(現在の安中市)に祀ったのが始まりとされ、安閑天皇元年(531年)に現在の社地に社殿を定めたと伝わります。天武天皇2年(673年)には最初の奉幣が行われた記録も残り、東国有数の古社として知られています。
御祭神は、香取神宮の御祭神としても知られる武神・経津主神と、機織りや養蚕を司る姫大神の二柱です。姫大神については正確な神名や由緒が伝わっていませんが、一説では古くこの地に住み養蚕・機織りの技術をもたらした渡来系の人々が奉じていた神ではないかともいわれ、富岡・甘楽地方が古くから絹産業で栄えてきた土地柄を色濃く反映しています。現在の本殿・拝殿・楼門は江戸幕府三代将軍・徳川家光の命により寛永12年(1635年)に再建されたもので、国の重要文化財に指定されています。
見どころ
貫前神社最大の特徴は、総門をくぐり鳥居を抜けた先で石段を「下って」参拝する、全国でも珍しい「下り宮」の様式です。一般的な神社は石段や坂道を上って社殿にたどり着くのに対し、貫前神社では表参道の石段を下った谷あいの窪地に本殿が鎮座しており、日本三大下り宮の一つに数えられています。鳥居越しに見下ろす朱塗りの社殿と石段の眺めは、他の神社では味わえない独特の光景です。
漆塗りに極彩色の彫刻を施した本殿・拝殿・楼門は江戸初期の建築技術の粋を集めたもので、重要文化財としての風格を今に伝えています。境内にはスダジイの巨木や、蛙の姿に似た「蛙の木」など自然の見どころも多く、静謐な杜に包まれた古社ならではの雰囲気を味わえます。
参拝のポイント
総門から石段を下って本殿に至り、再び上って戻るルートのため、往復では意外と体力を使います。石段は苔むしている箇所もあるため、雨の日や冬季は特に足元にご注意ください。参拝の所要時間は30分ほどですが、境内の史跡や巨木もあわせてゆっくり巡る場合は1時間ほど見ておくと安心です。御朱印は境内の社務所でいただけますが、受付時間は16時半ごろまでとなっているため、余裕を持って訪れることをおすすめします。
年中行事・お祭り
- 御戸開祭(みとびらきさい)(3月14日・12月12日):普段は固く閉ざされている本殿の御扉を年に2回だけ開き、神霊をお迎え・お送りする貫前神社最大の神事です。
- 鹿占神事(しかうらしんじ):鹿の肩甲骨を焼いてその年の吉凶を占う、古式ゆかしい神事が今に伝わります。
- 式年遷宮祭(12年に一度):申年の12月に仮殿遷座祭、酉年の3月に本殿遷座祭を執り行う、干支に基づく特別な式年遷宮です。
- 二年参り(12月31日〜1月1日):大晦日から元日にかけて多くの参拝者が初詣に訪れます。
周辺のグルメ・観光
よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 総門は終日参拝可能ですが、楼門内は6:00〜17:00です。
- Q. 御朱印は?
- A. 9:00〜16:30頃、初穂料500円です。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 総門前および西側に無料駐車場があります。
- Q. 「下り宮」とはどういう意味ですか?
- A. 一般的な神社と異なり、鳥居をくぐった先で石段を下って社殿に至る全国でも珍しい様式で、「日本三大下り宮」の一つに数えられます。
- Q. アクセス方法は?
- A. 上信電鉄「上州一ノ宮駅」下車、徒歩約15分です。



