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枚岡神社

枚岡神社

ひらおかじんじゃ・大阪府東大阪市

写真: Saigen Jiro / パブリックドメイン(CC0 1.0)

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由緒

枚岡神社の創祀は、初代・神武天皇が大和の地で即位される3年前にまで遡ると伝えられています。神武天皇の東征の途上、生駒の豪族ナガスネヒコとの戦いで苦戦を強いられた際、天皇の勅命を奉じた天種子命(あめのたねこのみこと)が国土平定を祈願し、天児屋根命・比売御神の二神を霊地・神津嶽(かみつだけ、生駒山中の聖地)に一大磐境を設けて祀ったのが始まりとされています。

長く神津嶽に祀られていた社は、孝徳天皇の白雉元年(650年)9月16日、天児屋根命の子孫とされる平岡連(ひらおかむらじ。のちの中臣氏)らによって山麓の現在地へ遷されました。その後、神護景雲2年(768年)、天児屋根命・比売御神の二神が春日山本宮の峰に影向し、藤原氏の氏神として春日神社(現在の春日大社)に祀られます。この二神を分祀した経緯から、枚岡神社は春日大社の祭神の源流にあたる社として「元春日(もとかすが)」と呼ばれるようになりました。逆に宝亀9年(778年)には春日社から武甕槌命・経津主命の二神を迎えて配祀し、これにより本殿は現在の四殿構成となっています。

天児屋根命は中臣氏(のちの藤原氏)の祖神で、天の岩戸開きの神話で最初に祭祀・祝詞奏上を行ったことから「神事宗源(しんじそうげん)」の神とも称えられます。大同元年(806年)には60戸の封戸が充てられ、貞観元年(856年)には天児屋根命に正一位の神階が授けられました。延喜式神名帳では名神大社に列し、中世以降は河内国一之宮として崇敬を集めています。明治4年(1871年)5月14日には官幣大社に列格しましたが、これは当時全国数十万社のうち、わずか29社にしか与えられなかった格式でした。現在は神社本庁の別表神社です。

見どころ

本殿は向かって右から第2殿・第1殿・第4殿・第3殿の順に並ぶ四殿造りで、主祭神・天児屋根命を祀る第1殿を中心に、比売御神、武甕槌命、経津主命がそれぞれの殿に鎮座しています。中臣氏・藤原氏の祖神を祀る古社らしい重厚な社殿配置は、春日大社の本殿とも通じる趣があります。

創祀の地である神津嶽には「神津嶽本宮」が今も祀られており、境内からハイキングコース(神津嶽コース、約2.7km・所要約1時間30分)を辿って参拝することができます。生駒山系の緑豊かな森は環境庁(現・環境省)の「かおり風景100選」にも選ばれており、四季を通じて自然と歴史を感じながら歩くことができます。

境内近くを通る暗峠越え奈良街道(暗越奈良街道)は、生駒山を越えて難波と大和を結ぶ最短路として古代から人や文化が行き交った道で、松尾芭蕉が「菊の香に くらがりのぼる 節句かな」と詠んだ句碑も残されています。かつて神宮寺跡地には約5,000坪・500株の梅が咲き誇った「枚岡梅林」もありましたが、平成28年(2016年)に伝染性のプラムポックスウイルス感染により惜しまれつつ伐採されており、再生に向けた取り組みが続けられています。

参拝のポイント

社務所(御朱印・お守りの授与、御祈祷の受付)は9:00〜16:00です。近鉄奈良線「枚岡」駅の改札を出てすぐという抜群のアクセスの良さも魅力で、大阪都心部からも気軽に立ち寄れます。境内前の駐車場は台数が限られるうえ、秋郷祭の前祭期間(10月上旬)は使用できない日があるため、車で訪れる場合は事前に公式サイトのお知らせを確認しておくと安心です。

参拝の際は、四殿の本殿にそれぞれ手を合わせたあと、時間と体力に余裕があれば神津嶽本宮までのハイキングコースにも挑戦してみてください。特に年末の「注連縄掛神事(お笑い神事)」の時期や、20基以上の太鼓台が宮入りする秋郷祭の期間は大変賑わうため、静かに参拝したい場合は平日を選ぶのがおすすめです。

年中行事・お祭り

  • 例祭(2月1日)― 年に一度の例大祭で、大祭式にて執り行われます。
  • 粥占神事(1月15日)― 室町時代から続くと伝わる神事で、「占竹」と呼ばれる竹筒53本と小豆粥、「占木」と呼ばれる黒樫の木12本を用いて、その年の農作物の豊凶や月ごとの天候を占います。「枚岡の御粥占神事」は新年の季語にもなっており、大阪府の無形民俗文化財に選択されています。
  • 秋郷祭(枚岡まつり)(前祭:スポーツの日の前々日・前日、本祭:10月15日)― 秋の実りに感謝する氏子祭で、20基以上の太鼓台が太鼓を打ち鳴らしながら宮入りする、大阪府下でも最大級の秋祭りです。前祭では神輿渡御と太鼓台の宮入りが、本祭では大祭式の神事が執り行われます。
  • 注連縄掛神事(通称:お笑い神事)(12月第3日曜日)― 天照大神が天岩戸に隠れた神話になぞらえた神事。宮司の「アッハッハー」という掛け声に合わせ、参拝者全員で20分間笑い続けることで一年の災いを笑い飛ばし、福を招きます。東大阪市の無形民俗文化財に指定されています(従来は12月23日開催でしたが、令和8年度=2026年度より12月第3日曜日に変更されました)。

周辺のグルメ・観光

  • 枚岡公園(ひらおかの森こうえん):枚岡神社に隣接する、生駒山ハイキングの玄関口となる自然公園。額田山展望台・枚岡山展望台からは大阪平野を一望でき、天気が良ければ淡路島まで見渡せます。桜の名所「桜広場」や、子供に人気の長いローラーすべり台「森のおもちゃ箱」もあります。
  • 暗峠(くらがりとうげ):生駒山を越えて大阪と奈良を結ぶ旧・暗越奈良街道の峠。石畳と昔ながらの家並みが残り「日本の道100選」にも選ばれています。松尾芭蕉の句碑があることでも知られ、枚岡神社の境内近くから徒歩で向かうことができます。
  • 石切劔箭神社(石切さん):「でんぼ(できもの)の神様」として親しまれる、東大阪市を代表するもう一つの古社。枚岡駅から新石切駅・石切駅方面へ電車と徒歩で20〜30分ほどの距離で、あわせて参拝する人も多いスポットです。

よくある質問

Q. 枚岡神社はなぜ「元春日」と呼ばれるのですか?
A. 神護景雲2年(768年)、枚岡神社に祀られていた天児屋根命・比売御神の二神が春日山本宮の峰に影向し、春日神社(現在の春日大社)に祀られたことに由来します。そのため枚岡神社は春日大社にとって祭神の源流にあたり、「元春日」と呼ばれています。なお宝亀9年(778年)には逆に春日社から武甕槌命・経津主命の二神を迎えて配祀し、現在の四殿の本殿となりました。
Q. 参拝時間や社務所の受付時間は?
A. 社務所(御朱印・お守りの授与、御祈祷の受付)は9:00〜16:00です。秋郷祭など祭礼当日は夜間まで開門していることがあります。
Q. 御朱印はいただけますか?
A. はい、9:00〜16:00の受付で、初穂料500円(特別御朱印は700円)でいただけます。「河内一宮」「元春日」の印が押されるのが特徴です。
Q. アクセス方法は?
A. 近鉄奈良線「枚岡」駅を降りてすぐです(普通列車のみ停車、時間帯により区間準急も停車)。大阪難波駅からは約30分です。
Q. 駐車場はありますか?
A. 境内前に「タイムズ枚岡神社」という有料の時間貸し駐車場(約40台)があります。御祈祷を受ける方は受付時にその旨を伝えると案内してもらえます。ただし秋郷祭の前祭期間(10月上旬)は利用できない日があるため、事前に公式サイトで確認してください。

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