由緒
生根神社の創立時期は明らかではありませんが、延喜式神名帳(927年)にはすでに官幣大社として記載されており、古くから有力な神社であったことがうかがえます。社伝によれば、当社は隣接する住吉大社が鎮座するよりも前からこの地にあったとも伝えられ、住吉郷における最も古い社のひとつとされています。御祭神の少彦名命は酒造りの祖神として知られ、神功皇后が住吉三神に献じる酒をこの地で醸したという古伝も残されています(なお、御祭神については『神名帳考証』など一部の史料で活津彦根命とする異説も伝えられています)。
中世以降、生根神社は住吉大社の神宮寺とともにその管理下に置かれた時期がありましたが、明治5年(1872年)に改めて独立した郷社となり、現在は大阪市住吉区・住之江区にまたがる地域の氏神として、多くの氏子・崇敬者から篤い信仰を集めています。とりわけ豊臣時代には、豊臣秀吉の側室であった淀殿の崇敬社として重んじられ、片桐且元を奉行として慶長5年(1600年)から6年(1601年)頃に現在の御本殿が造営・寄進されました。この御本殿は完全な桃山時代の建築様式を今に伝えるものとして、大阪府の重要文化財に指定されています。
通称の「奥の天神」は、住吉大社よりもさらに奥まった場所に鎮座することに由来するとも、少彦名命の別名である「沖の天津神」から転じたものともいわれています。なお、大阪市西成区玉出にも同名の「生根神社」(通称・上の天神)がありますが、これは独立した別の神社であり、当社の公式サイトでも参拝・祈祷の申し込みの際に混同しないよう案内がなされています。
見どころ
最大の見どころは、慶長年間に淀殿の寄進によって再建された御本殿です。切妻千鳥破風の木造桧皮葺で、極彩色の装飾を施した流造の社殿は、桃山時代の建築様式を完全な形で今に伝えるものとして大阪府の重要文化財に指定されています。総木曽桧材で建てられた拝殿は昭和11年(1936年)に改修されたもので、こちらも桃山様式を色濃く受け継いでいます。
境内には摂社の天満宮があり、文明11年(1479年)に彫られたと伝わる菅原道真公の木造坐像を祀っています。この像は大阪市指定有形文化財となっており、生根神社が長い年月にわたり地域の信仰を集めてきたことを物語っています。ほかにも境内には龍王社・塞神社・種貸神社・稲荷社(天淨稲荷大神)といった境内末社が鎮座し、「紅梅殿」と呼ばれる建物は、かつて住吉大社の神宮寺であった新羅寺の回廊を移築したものと伝えられています。住吉大社の境内のすぐ北隣という立地にありながら、落ち着いた雰囲気の中で古社の風格を静かに感じられる神社です。
参拝のポイント
境内での参拝自体は自由に行えますが、御朱印やお守りなど授与所の受付時間は9:00〜17:00です。御朱印は直書きでの授与があり、季節ごとの限定御朱印が頒布されることもありますが、郵送での対応は行っていないため、必ず参拝時に受ける必要があります。境内には参拝者用の駐車場が用意されていますが、隣接する住吉大社は初詣や例祭期間中に大変混雑するため、車で訪れる場合は周辺道路の混雑にも注意してください。境内西側にトイレがあります。住吉大社を参拝したあとに、あわせて生根神社にも足を延ばす参拝者が多く見られます。
年中行事・お祭り
- 歳旦祭(1月1日):新年最初の祭事として執り行われます。
- 節分祭(2月):厄除けを願う節分の祭事です。
- 淡島祭(4月1日):淡島大神をまつる祭事です。
- 七夕祭(7月7日):星まつりの行事として行われます。
- 夏祭宵宮・渡御式(7月18日・19日):夏祭りの宵宮に続き、19日には渡御式が行われます。
- 例祭(10月9日):生根神社で最も重要な祭礼で、神輿渡御祭や子供祭もあわせて行われます。
- 七五三参り(11月):子どもの成長を祝う参拝が多く見られます。
- 大根炊き・除夜祭(12月):大根炊きの神事が行われ、12月31日には除夜祭で一年を締めくくります。
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よくある質問
- Q. 生根神社の御朱印はいつ・どこで受けられますか?
- A. 社務所での受付時間は9:00〜17:00です。直書きでの授与があり、雛祭り限定の御朱印など季節ごとの限定御朱印も頒布されています。郵送での対応は行っていないため、参拝時に直接受ける必要があります。
- Q. 生根神社に駐車場はありますか?
- A. 境内に参拝者用の駐車場があります。住吉大社のすぐ近くという立地のため、正月三が日や住吉大社の例祭期間中などは周辺の交通が混雑しやすい点にご注意ください。
- Q. 生根神社へのアクセス方法は?
- A. 阪堺電気軌道阪堺線・上町線の「住吉」電停から徒歩4分が最も近く、南海本線「住吉大社」駅や南海高野線「住吉東」駅からも徒歩7分ほどです。住吉大社の境内のすぐ北側に鎮座しています。
- Q. 生根神社と大阪市西成区の生根神社は同じ神社ですか?
- A. 別の神社です。大阪市住吉区の当社(通称・奥の天神)と、西成区玉出にある生根神社(通称・上の天神)は、ともに少彦名命を祀りますが独立した神社であり、公式サイトでも「西成区の生根神社様とは別の神社」と案内されています。祈祷などの申し込みの際は間違えないよう注意が必要です。
- Q. 生根神社の例大祭(例祭)はいつ行われますか?
- A. 例祭は毎年10月9日に斎行されます。あわせて神輿渡御祭や子供祭も行われるほか、7月18日の夏祭宵宮・19日の渡御式も年間行事の中で大きな祭礼のひとつです。



