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石上神宮

石上神宮

いそのかみじんぐう・奈良県天理市

写真: Zeter114514 / CC BY-SA 4.0

写真

由緒

石上神宮は『日本書紀』にもその名が記される、日本最古級の神社の一つです。社伝によれば崇神天皇7年、物部氏の祖である伊香色雄命(いかがしこおのみこと)が、神代より伝わる霊剣・布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)を現在地「布留の高庭」に祀ったのが創祀と伝えられています。この剣は神武天皇の東征の際に危機を救ったとされる神話上の剣で、その神威が主祭神・布都御魂大神として鎮まっています。

古代から中世にかけて石上神宮は、朝廷の武器庫としての役割も担った物部氏の総氏神であり、大和朝廷の軍事・祭祀を司る一族の精神的な拠点でした。境内からは明治時代に国宝「七支刀(しちしとう)」が発見されたことでも知られ、百済から倭国へ贈られたと伝わるこの鉄剣は、日本と朝鮮半島との古代交流を物語る貴重な史料として、現在も神宮の宝物として大切に保管されています。

本殿は大正2年(1913年)の建立で、それまでは本殿を持たず、拝殿奥の「禁足地」に神剣を直接祀るという、日本の神社建築でも最古の形式を今に伝えていました。この禁足地への信仰の形こそが、石上神宮が「神社の中の神社」とも呼ばれる所以です。

見どころ

国宝に指定されている拝殿は、鎌倉時代初期の建立と伝わる現存最古の拝殿建築の一つで、簡素ながらも風格ある佇まいを見せています。境内には杉や欅の巨木が生い茂り、深い森に包まれた荘厳な空気が漂います。

石上神宮といえば境内を自由に歩き回る「神鶏」と呼ばれる鶏たちも見どころの一つです。天照大神が天岩戸から出られる際に鳴いたとされる「常世の長鳴鳥」の伝承にちなみ、東天紅(とうてんこう)や烏骨鶏(うこっけい)など数種類、約30羽の鶏が神の使いとして放し飼いにされており、参拝者を迎えてくれます。境内東側の鏡池にはワタカという珍しい淡水魚が生息していることでも知られています。

また石上神宮は、大和盆地の東端を南北に貫く日本最古の道「山の辺の道」の起点(あるいは終点)にあたり、南に約16キロ進むと同じく古社である大神神社(おおみわじんじゃ)へと至ります。田園風景の中に古墳や万葉集ゆかりの歌碑が点在するこの道は、歴史散策を楽しむハイカーに人気のコースです。

参拝のポイント

石上神宮は天理駅から徒歩約30分、バスなら約10分と、アクセスしやすい立地にあります。境内参拝と国宝拝殿の見学だけであれば30〜40分ほどですが、山の辺の道を大神神社まで歩く場合は3〜4時間ほどの行程になるため、歩きやすい靴と飲み物の準備がおすすめです。授与所は楼門を入って右手にあり、御朱印のほか、名物の「鶏みくじ」や国宝・七支刀をモチーフにしたお守りも人気です。

年中行事・お祭り

  • 節分祭(2月3日):一年の無病息災を祈願する神事で、豆まきが行われます。
  • 神剣渡御祭(でんでん祭)(6月30日):神剣を摂社・出雲建雄神社へ渡御し、田植神事を行う古式ゆかしい祭り。太鼓の「でんでん」という音から俗称がつきました。
  • 例祭(ふるまつり)(10月15日):石上神宮で最も重要な祭典で、勅使が参向し古式にのっとった神事が営まれます。
  • 鎮魂祭(11月22日):夜を徹して行われる神秘的な神事で、魂を鎮め生命力を高める儀式とされています。

周辺のグルメ・観光

  • 山の辺の道:石上神宮と大神神社を結ぶ日本最古の道。古墳や歌碑が点在する田園風景の中を歩くハイキングコースとして人気です。
  • 天理大学附属天理参考館:石上神宮からほど近い考古学・民俗学系の博物館。世界各地の生活文化資料や考古美術品を展示しています。
  • 彩華ラーメン本店:ご当地グルメ「天理ラーメン」の元祖とされる名店。ピリ辛醤油スープに白菜がたっぷり乗るのが特徴です。

よくある質問

Q. 参拝時間は?
A. 参拝は5:30〜17:30頃(季節により変動)、授与所は8:00〜17:00頃です。
Q. 御朱印は?
A. 8:00〜17:00頃、初穂料300円です。
Q. 駐車場はありますか?
A. 境内周辺に第1〜第4駐車場があります(合計約200台、無料)。
Q. 境内にいる鶏は何ですか?
A. 「神鶏」と呼ばれ、天照大神にまつわる伝承にちなみ、東天紅や烏骨鶏など約30羽が神の使いとして放し飼いにされています。
Q. アクセス方法は?
A. JR・近鉄「天理駅」から徒歩約30分です。

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