由緒
出雲大神宮は、亀岡盆地の東北部、御蔭山(みかげやま)の麓に鎮座する古社です。この御蔭山そのものが古くから神奈備(かんなび、神が宿る山)として信仰されてきたとされ、社殿が整えられる以前から祭祀の場であったと考えられています。社伝では和銅2年(709年)10月21日に現在の社殿が創建されたと伝わりますが、御神体山への信仰そのものはさらに古い時代にさかのぼるとされています。
ご祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)と、その后神である三穂津姫命(みほつひめのみこと)の2柱です。延喜式神名帳に「名神大社」として記載された式内社であり、丹波国の一宮として、また旧社格では国幣中社として篤い崇敬を集めてきました。現在は神社本庁に属さない単立神社となっています。
出雲大神宮は別名「元出雲(もといずも)」とも呼ばれています。これは、島根県出雲市の出雲大社の御祭神は、もともとこの出雲大神宮から遷されたものだとする社伝・伝承に由来するもので、江戸時代までは「出雲」といえばこの丹波の社を指したとも言われます。ただし、これはあくまで出雲大神宮に古くから伝わる社伝であり、出雲大社の起源に関する学術的に確定した定説というわけではありません。全国的には出雲大社の存在の方がよく知られているだけに、参拝の際はこの「元出雲」の由来が地元・当宮に伝わる伝承であるという前提を踏まえておくと、両社の関係をより興味深く楽しめます。
現在の本殿は、南北朝時代の貞和元年(1345年)に足利尊氏が修造したと伝わるもので、三間社流造・檜皮葺きの格式ある建築として国の重要文化財に指定されています。
見どころ
本殿の背後にそびえる御蔭山は、出雲大神宮の御神体そのものとされる神域です。山中にはいくつもの磐座(いわくら)があり、なかでも国常立尊(くにとこたちのみこと)を祀るとされる磐座群まで登ることができますが、入山には社務所でたすきを借りる必要があり、みだりに立ち入ることはできません。神秘的な雰囲気から「京都で屈指のパワースポット」として紹介されることも多く、スピリチュアル系の書籍やテレビ番組で取り上げられたこともよく知られています。
境内には「真名井の水(まないのみず)」と呼ばれる湧き水があります。御蔭山の伏流水が湧き出したもので、古くから名水として親しまれ、持ち帰って飲用する参拝者も見られます。しめ縄の張られた大きな磐座からこんこんと水が湧き出す光景は、出雲大神宮を象徴する見どころのひとつです。
貞和元年(1345年)に足利尊氏が修造したと伝わる本殿は、三間社流造・檜皮葺きの落ち着いた佇まいを見せる国指定重要文化財です。緑深い御蔭山を背景に建つ社殿は、丹波国一宮としての風格を静かに伝えています。
参拝のポイント
境内への参拝は終日可能ですが、お守りや御朱印など社務所の受付時間は9:00〜17:00(御朱印は16:30まで)です。御蔭山の磐座まで足を延ばしたい場合は、社務所でたすきを借りる必要があるため、参拝時に社務所へ立ち寄って確認しておくとよいでしょう。
最寄り駅からは亀岡市ふるさとバス(川東線・F11系統)が運行していますが、本数が多くないため、事前に時刻表を確認しておくことをおすすめします。車で訪れる場合は境内周辺に計約80台分の無料駐車場がありますが、4月と10月の例大祭前後は大変混雑するため、その時期は公共交通機関の利用が無難です。
年中行事・お祭り
- かやうら神事(1月15日):一年の農作物の豊凶などを占う伝統の神事です。
- 例祭(4月18日):京都府の登録無形民俗文化財に指定されている「出雲風流花踊(いずもふりゅうはなおどり)」が奉納される、春の例祭です。
- 秋季大祭(10月21日):創建の日にあたるとされる、出雲大神宮でもっとも重要な祭典です。神輿が千歳・馬路の氏子地区を巡行します。
- 新嘗祭(11月23日):その年の収穫に感謝する秋の祭事です。
周辺のグルメ・観光
- 保津川下り:亀岡市保津町から嵐山まで、船頭の棹さばきで渓谷を下る舟下りで、亀岡を代表する観光アクティビティのひとつです。出雲大神宮から車で15〜20分ほどの距離にあります。
- 鍬山神社:亀岡盆地の開拓神・大己貴神(おおなむちのかみ)を祀る古社で、「矢田の紅葉」として知られる紅葉の名所。出雲大神宮とあわせて参拝する人も多い神社です。
- 嵯峨野観光鉄道 トロッコ亀岡駅:保津峡の渓谷美を楽しめるトロッコ列車の亀岡側の起点駅で、嵐山のトロッコ嵯峨駅まで結んでいます。
よくある質問
- Q. 出雲大神宮は島根県の出雲大社と同じ神社ですか?
- A. いいえ、別の神社です。出雲大神宮は京都府亀岡市に鎮座する丹波国一宮で、島根県出雲市の出雲大社(出雲大神宮とは異なる神社)とは所在地も由緒も異なります。両社とも大国主命を祀ることから混同されがちですが、出雲大神宮は「元出雲」とも呼ばれ、社伝では出雲大社の御祭神はもとは当宮から遷されたと伝えられています。ただしこれは古くから当宮に伝わる社伝・伝承であり、学術的に確定した史実として広く認められているものではない点にご留意ください。
- Q. 「元出雲」とはどういう意味ですか?
- A. 社伝によれば、和銅2年(709年)に社殿が創建される前後、島根県の出雲大社の御祭神がこの地から遷されたとされ、そのため出雲大神宮は「元出雲」と呼ばれています。江戸時代までは「出雲」といえば丹波国のこの社を指したとも言われますが、これはあくまで出雲大神宮に伝わる社伝・伝承であり、出雲大社側の歴史とは見解が異なる点は理解しておく必要があります。
- Q. 御朱印の受付時間と初穂料は?
- A. 社務所は9:00〜17:00まで開いており、御朱印の受付は16:30までです。初穂料は300円で、年によっては干支にちなんだ限定御朱印などが1,000円程度で頒布されることもあります。
- Q. 出雲大神宮に駐車場はありますか?
- A. 表参道前駐車場・大駐車場・西駐車場の3箇所に、あわせて約80台分の無料駐車場があります。ただし4月と10月の例大祭前後は大変混雑するため、その時期に訪れる場合は公共交通機関の利用がおすすめです。
- Q. 出雲大神宮へのアクセス方法は?
- A. JR嵯峨野線「亀岡駅」または「千代川駅」から、亀岡市ふるさとバス川東線(F11系統)で「出雲神社前」下車すぐです。所要時間は約15分ですが運行本数が少ないため、事前に時刻表を確認しておくと安心です。タクシーを利用する場合は両駅から約10分です。



