由緒
御前崎の岬の突端近くに鎮座する駒形神社は、天津日高日子穂々出見尊・豊玉姫命・玉依姫命の三柱を祀る、地区でも屈指の古社です。社伝では安閑天皇の御代(6世紀前半、伝承では534年)の創建とされ、その社地は後に分祀・遷座して白羽神社となったことから、駒形神社は白羽神社の「元宮」「原宮」として今も大切に守られています。承和4年(837年)に白羽神社が現在の白羽の地へ遷った後も、この地には変わらず社が残り、地元の人々の手によって祀られ続けてきました。
社名の由来となっているのは、遠い昔にこの沖合で難破し漂流した90頭の馬にまつわる伝説です。荒波にもまれた馬たちのうち、ただ1頭だけがこの浜にたどり着いて岸に上がったことから「駒形(こまがた)」の名がついたと伝わり、残りの馬たちは沖合で「御前岩(駒形岩)」という岩礁に姿を変えたと語り継がれています。この伝説にちなみ、駒形神社は古くから漁業や海運に携わる人々の信仰を集め、御前崎が漁師町として栄えてきた歴史とともに、航海安全・大漁を願う人々の心のよりどころとなってきました。
現在の本殿は、戦国期の兵火による焼失を経て江戸時代に再建されたと伝わる入母屋造の社殿で、白羽神社の本殿とともに昭和44年(1969年)に御前崎市指定有形文化財に指定されています。境内は白羽神社ほど大きくありませんが、90頭の馬の伝説を今に伝える古社として、静かな気持ちで参拝したい場所です。
見どころ
駒形神社最大の見どころは、一間社入母屋造の本殿そのものです。彫刻をほどこした虹梁や蟇股など、江戸期の宮大工の技巧をうかがわせる細部の意匠が随所に見られ、白羽神社と並んで市の文化財に指定される価値の高さがうなずけます。境内を守る立派な狛犬や、海に向かって立つ鳥居も、岬の風景の中でひときわ趣のある佇まいを見せています。
すぐ近くの沖合には、90頭の馬が変じたと伝わる「御前岩(駒形岩)」を望むことができ、伝説の舞台を実際に目にしながら参拝できるのもこの神社ならではの魅力です。徒歩8分ほどの距離には御前埼灯台があり、太平洋を望む雄大な景色とあわせて楽しむ参拝者も少なくありません。
参拝のポイント
駒形神社には常駐の社務所がなく、御朱印は白羽神社の社務所でいただく形になるため、事前に連絡しておくと安心です。境内での参拝自体は10分ほどで済みますが、白羽神社や御前埼灯台と合わせて巡ることで、この一帯に伝わる馬の伝説と信仰の広がりをより深く感じることができます。岬特有の強い潮風が吹くことがあるため、防寒・防風対策をしておくとよいでしょう。
年中行事・お祭り
- 秋祭り(10月の祝日を含む日曜):漁業関係者を中心に地域で執り行われる祭礼で、豊漁と航海安全への感謝が捧げられます。
- 春季例祭(4月第3日曜):一年の海上安全と豊漁を祈願する神事です。
- 節分祭(2月3日頃):一年の無病息災を願う行事として行われます。
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よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 参拝は自由です。常駐の社務所はありません。
- Q. 御朱印は?
- A. 白羽神社の社務所でいただけます(事前連絡推奨)。初穂料500円(見開き御朱印は1,400円)。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 境内前に数台分の駐車スペースがあります。御前埼灯台の有料駐車場も利用できます。
- Q. 社名の由来は?
- A. 沖合で難破した90頭の馬のうち1頭だけがこの浜にたどり着いたという伝説にちなみます。
- Q. アクセス方法は?
- A. 白羽神社から車で約5分、御前埼灯台から徒歩約8分です。


