由緒
多賀大社は、創建年代こそ明らかではないものの、奈良時代の文献にすでにその名が記される古社です。御祭神は『古事記』において日本の国土や数多の神々をお生みになったとされる伊邪那岐大神・伊邪那美大神の御二柱で、天照大神をはじめとする神々の親神にあたることから、古くから「お伊勢参らばお多賀へも参れ、お伊勢お多賀の子でござる」と歌われるほど、伊勢神宮と並び称される信仰を集めてきました。
戦国時代から江戸時代にかけては武将からの崇敬も篤く、なかでも天正16年(1588年)、豊臣秀吉が母・大政所の病気平癒を多賀大社に祈願したところ快癒したことから、そのお礼として一万石もの米を寄進したという逸話がよく知られています。この寄進により社殿の大規模な造営が行われ、参道に架かる太閤橋(太鼓橋)も、この秀吉の寄進によって整備されたと伝えられています。
「お多賀さん」の愛称で親しまれ、命の親神として延命長寿・縁結び・厄除けのご利益で知られる多賀大社は、現在も滋賀県内はもとより全国から多くの参拝者を集める信仰の中心地となっています。
見どころ
境内で参拝者の目を引くのが、表参道に架かる朱塗りの太鼓橋「太閤橋」です。豊臣秀吉の寄進により整備されたと伝わるこの急勾配の反り橋は、渡ることで身が清められるといわれ、多賀大社を象徴する景観の一つとなっています。橋を渡った先の拝殿・本殿は檜皮葺の重厚な佇まいを見せ、古くからの信仰の厚みを感じさせます。
多賀大社の授与品の中でもとりわけ有名なのが、しゃもじ型のお守り「お多賀杓子」です。奈良時代、病に伏せた元正天皇のために神官が強飯(こわめし)を杓子に盛って献上したところ快癒されたという故事に由来し、この「お多賀杓子」がなまって「お玉杓子」となり、さらに形の似たカエルの幼生「オタマジャクシ」の語源になったとも伝えられています。境内奥の名勝庭園「奥書院庭園」(桃山時代作庭と伝わる)も見応えがあり、春・秋には宝物の特別公開が行われることもあります。
参拝のポイント
参拝時間・御朱印受付ともに8:30〜17:00です。近江鉄道「多賀大社前駅」からは徒歩10分ほどの門前町を歩いての参拝となり、糸切餅の老舗が並ぶ参道歩きも楽しみの一つです。車での参拝の場合は表参道周辺に参拝者用駐車場が複数あるので、混雑状況に応じて利用しましょう。8月の万灯祭の時期は境内が提灯で埋め尽くされ大変な賑わいとなるため、時間に余裕を持った参拝がおすすめです。
年中行事・お祭り
- 古例大祭(4月22日):多賀大社で最も重要な例祭で、古式ゆかしい神事が執り行われます。
- 万灯祭(8月3日〜5日):全国の崇敬者から奉納された1万灯を超える提灯が境内を埋め尽くす、多賀大社を代表する夏の風物詩。杉坂山から浄火を運ぶ神事から祭りが始まります。
- お田植祭(6月上旬):五穀豊穣を祈願する田植え神事です。
- 節分祭(2月3日):招福除災を祈願する神事で、多くの参拝者で賑わいます。
- 元旦祭(1月1日):一年の始まりを祝う神事で、多くの初詣客が訪れます。
周辺のグルメ・観光
- 糸切餅総本家 多賀や:多賀大社表参道にある江戸時代創業の老舗。こしあんを包んだ餅に3本の線を糸で切り分ける「糸切餅」は多賀参りの定番土産です。
- 寿命そば(そば舎):多賀大社の参集殿内にある蕎麦処。延命長寿のご利益にちなんで名付けられた名物「寿命そば」がいただけます。
- 真如寺:多賀大社の門前町にある寺院で、江戸時代後期の寺宝や木造阿弥陀如来坐像を伝えています。門前散策の際に立ち寄りたいスポットです。
よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 8:30〜17:00です。
- Q. 御朱印は?
- A. 8:30〜17:00、初穂料300円です(切り絵御朱印は500円)。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 表参道周辺に参拝者用駐車場が複数あります(一部有料)。
- Q. 「おたまじゃくし」の語源は多賀大社と関係がある?
- A. しゃもじ型のお守り「お多賀杓子」が由来とされ、これがなまって「お玉杓子」となり、形の似たカエルの幼生「オタマジャクシ」の語源になったとも伝えられています。
- Q. アクセス方法は?
- A. 近江鉄道本線「多賀大社前駅」から徒歩10分、名神高速道路「彦根IC」から車で約15分です。



