由緒
田縣神社は愛知県小牧市田県町に鎮座する古社で、御歳神(みとしのかみ)と玉姫命(たまひめのみこと)をお祀りしています。御歳神は五穀豊穣・万物育成をつかさどる農耕の神として、玉姫命は子宝・安産の神として篤い信仰を集めてきました。
創建の年代は明らかではありませんが、平安時代の延長5年(927年)にまとめられた『延喜式神名帳』にすでにその名が記されている式内社で、それ以前から地域の農耕神として祀られてきたと伝わります。江戸時代までは「縣森(あがたのもり)」とも呼ばれ、後に延喜式内社の田縣神社に比定されました。稲作を中心とする豊かな収穫と、子孫繁栄・命の継承を重ね合わせて祈る、農村地帯ならではの信仰のかたちを今に伝える神社です。
見どころ
境内では、農業の実りと生命の誕生を重ね合わせた古来の信仰にちなみ、陽物(男根)をかたどった奉納品や絵馬を数多く見ることができます。これらは単なる珍奇なモチーフではなく、農作物の豊かな実り、子孫繁栄、そして命が絶えることなく続いていくことへの祈りを形にしたものです。境内社務所では、こうした信仰の由来を伝える資料や授与品も用意されています。
参拝のポイント
子宝・安産、五穀豊穣を願う参拝者はもちろん、農業や商売の発展、家庭円満を祈願して訪れる人も多い神社です。境内はそれほど広くありませんが、鳥居から本殿まで木々に囲まれた静かな雰囲気があり、豊年祭当日以外は落ち着いて参拝できます。祭礼にまつわる授与品や御朱印も人気で、月替わりの限定御朱印を目当てに訪れる参拝者もいます。
年中行事・お祭り
- 豊年祭(ほうねんさい)(3月15日): 約1400年の歴史を持つと伝わる例大祭。木曽ヒノキから毎年新しく彫り出される直径約60センチ・長さ2メートル余りの男茎形(陽物)を陽物御輿に載せ、猿田彦を先頭に、祭神の神像を納めた鳳輦や玉姫命の夫神・建稲種命(たけいなだねのみこと)を納めた御前御輿とともに御旅所から御本社まで練り歩きます。もとは小正月に行われた田遊び・道祖神信仰にルーツを持ち、五穀豊穣・万物育成・子孫繁栄を祈る農耕儀礼です。毎年4〜5万人ほどが訪れ、海外メディアにも「Honen Matsuri(豊年祭)」として紹介される国際的に知られた祭りとなっています。なお、犬山市の大縣神社(姫の宮)でも同時期に女陰をかたどった山車が練り歩く豊年祭が行われますが、両社の祭りはもとは別々に起こった祭礼とされています。
周辺のグルメ・観光
田県神社前駅からもほど近く、参拝の前後に立ち寄りやすい飲食店があります。少し足を延ばせば、織田信長ゆかりの小牧山城(小牧山歴史館)も訪ねられます。
- カレーハウスCoCo壱番屋 小牧田県店: 田県神社前駅から徒歩約4分のカレー専門店。参拝後の食事に立ち寄りやすい。
- 小牧山城(小牧山歴史館): 織田信長が築いた小牧山城の跡地に立つ資料館。田縣神社から車で10分ほどの距離で、あわせての観光にもおすすめ。
よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 境内への参拝は24時間可能です。社務所(授与所)は9:00〜17:00の対応となります。
- Q. 御朱印はいただけますか?
- A. 9:00〜17:00にいただけます。初穂料は500円で、月替わりの限定御朱印が授与される月もあります。
- Q. アクセス方法は?
- A. 名鉄小牧線「田県神社前駅」から徒歩約5分(約200m)です。隣駅の「楽田駅」からは約2km・徒歩25分ほど離れているため、田県神社前駅の利用をおすすめします。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 境内に無料駐車場(普通車・大型バス合わせて約50台)があります。ただし例大祭「豊年祭」が行われる3月15日は一般車両の駐車ができなくなるため、当日は公共交通機関の利用がおすすめです。
- Q. 豊年祭とはどのようなお祭りですか?
- A. 毎年3月15日に行われる例大祭で、木曽ヒノキから毎年新しく彫り出す直径約60センチ・長さ2メートル余りの男茎形(陽物)を神輿に載せ、厄年の男性らが御旅所から御本社まで練り歩く神事です。五穀豊穣・万物育成・子孫繁栄を祈願する農耕儀礼で、約1400年続くと伝わり、毎年4〜5万人ほどが訪れます。



