由緒
建部大社の創建は、伝承によれば景行天皇46年(西暦116年)にさかのぼります。日本武尊の妃であった布多遅比売命が、御子の稲依別王とともに、日本武尊の神霊を近江国神崎郡建部の郷(現在の滋賀県東近江市付近)にお祀りしたのが始まりと伝えられています。
その後、天武天皇の御代である白鳳4年(675年)、近江国府が置かれていた瀬田の地へ遷座しました。当時、瀬田は近江国の政治・経済の中心地であり、東国へ通じる交通の要衝でもあったことから、国家鎮護の神社として特に重んじられたと考えられています。天平勝宝7年(755年)には、権殿に大己貴命(大国主神)が新たに勧請され、本殿の日本武尊とあわせて二柱の神を祀る現在の形が整いました。
延喜式神名帳には名神大社として記載され、近江国一宮として長く崇敬を受けてきました。かつては官幣大社にも列せられ、現在も神社本庁の別表神社として、日本武尊ゆかりの古社の格式を今に伝えています。
見どころ
境内で特に目を引くのが「三本杉」です。天平勝宝7年(755年)に大己貴命を迎えた際、一夜にして三本の杉が芽吹いたという伝承にちなむもので、建部大社の神紋にも用いられている強力なパワースポットとして知られています。本殿と権殿が同じ大きさで建てられているのも珍しく、日本武尊と大己貴命の両神を等しく敬う建部大社ならではの特徴です。
境内にはほかにも、鎌倉時代の文永7年(1270年)の銘を持つ重要文化財の石燈籠や、平安時代作の女神像など貴重な文化財が伝わっています。また、菊の花の化石やさざれ石なども奉安されており、由緒ある古社ならではの見どころが随所に残されています。境内は琵琶湖・瀬田川のほとりに広がる自然豊かな立地にあり、四季を通じて静かな参拝が楽しめます。
参拝のポイント
開門時間は5:00〜17:00、祈祷の受付は9:00〜16:00、御朱印は9:00〜17:00の受付で初穂料は500円です。境内には複数の無料駐車場が用意されており、普通車であれば70台以上、一部は大型バスにも対応しています。ただし正月三が日や8月の船幸祭の時期は満車になることもあるため、公共交通機関の利用も検討するとよいでしょう。京阪石山坂本線「唐橋前駅」から徒歩10分とアクセスも良く、近江八景の一つに数えられる瀬田の唐橋とあわせて訪れる参拝者も多く見られます。
年中行事・お祭り
- 船幸祭(8月17日):大津三大祭りの一つ。日本武尊が船団を率いた故事にちなみ、瀬田川で御座船による神輿の船渡御が行われ、夜には奉納花火が打ち上げられる。
- 例祭・神輿渡御(春):建部大社にとって重要な神事で、氏子地域を神輿が巡行する。
- 夏越の大祓・茅の輪くぐり(6月30日):半年間の穢れを祓い、無病息災を願う神事。境内に設けられた茅の輪をくぐって参拝する。
- 夜詣(8月中旬):夏の数日間限定で行われる夜間特別参拝で、灯りに照らされた境内を参拝できる。
周辺のグルメ・観光
- 瀬田の唐橋:近江八景の一つに数えられる歴史ある橋で、建部大社から徒歩圏内。瀬田川の景観とあわせて楽しめる人気スポットです。
- 三井寺(園城寺):天台寺門宗の総本山として知られる古刹で、建部大社から車で15分ほど。琵琶湖を望む境内は四季折々の景観が魅力です。
- 琵琶湖・なぎさ公園周辺:琵琶湖畔に広がる散策スポットで、建部大社とあわせて滋賀ならではの湖畔の景観を楽しめます。
よくある質問
- Q. 建部大社はどんな神社ですか?
- A. 建部大社は近江国(現在の滋賀県)の一宮で、日本武尊(やまとたけるのみこと)を主祭神とする古社です。式内社(名神大社)にも列せられ、かつては官幣大社として国から篤く崇敬されてきました。
- Q. 建部大社の御朱印の受付時間と初穂料は?
- A. 御朱印の受付時間は9:00〜17:00、初穂料は500円です。境内に入って左手にある授与所で頂くことができます。
- Q. 建部大社に駐車場はありますか?
- A. 境内に複数の無料駐車場があり、普通車あわせて70台以上、一部は大型バスにも対応しています。ただし正月三が日など混雑時は満車になる場合があります。
- Q. 建部大社の船幸祭とはどんなお祭りですか?
- A. 毎年8月17日に行われる例祭で、大津三大祭りの一つに数えられます。日本武尊が船団を率いて海路を進んだ故事にちなみ、瀬田川で神輿を乗せた御座船による船渡御が行われ、夜には奉納花火が打ち上げられます。
- Q. 建部大社へのアクセス方法は?
- A. 京阪石山坂本線「唐橋前駅」から徒歩10分が最も近く、JR琵琶湖線「石山駅」からは徒歩25分またはバスの利用が便利です。車の場合は名神高速道路「瀬田西IC」から約5分です。



