由緒
車折神社は、平安時代末期に活躍した儒学者・清原頼業公(きよはらのよりなりこう、1122~1189)を祀る神社です。頼業は大外記(だいげき)を務め、明経博士として朝廷に仕えた当代随一の学者で、文治5年(1189年)に没すると、清原家ゆかりのこの地に廟が営まれ、後にその霊を祀る社が建てられたのが当社の起源と伝えられています。
社名の由来には有名な逸話が残されています。後嵯峨天皇がこの地に行幸された際、社前を通りかかった牛車が突如として動かなくなり、車の轅(ながえ)が折れてしまったといいます。天皇はこれを祭神の強い神威によるものと畏れ、「正一位車折大明神」の神号を贈られました。これが「車折(くるまざき)」という社名の由来とされています。
現在では、境内に鎮座する境内社「芸能神社(げいのうじんじゃ)」の存在から、芸能・芸術に携わる人々の篤い信仰を集める神社としても広く知られています。昭和32年(1957年)に創建されたこの社は、芸能の女神・天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀り、参道には俳優や歌手をはじめとする芸能人・文化人が奉納した朱塗りの玉垣が4000枚以上も林立し、独特の景観をつくり出しています。
見どころ
境内で最も印象的な光景が、芸能神社の参道を埋め尽くす無数の朱塗りの玉垣です。芸名やペンネーム、劇団名などが記されたその数は年々増え続けており、日本の芸能界における当社の存在感の大きさを物語っています。玉垣はおよそ2年ごとに新しいものと入れ替えられ、常に現役で活躍する著名人の名前を目にすることができます。
もう一つの見どころが、拝殿前に積まれた「祈念神石(きねんしんせき)」です。授与所で授かった石を持ち帰って願い事を念じながら身近に置いて過ごし、成就した際には感謝を込めてもう一つ石を添えて社殿に返納するという独特の風習が古くから伝わっています。願いを込めた石と返納された石が積み重なる様子は、参拝者一人ひとりの祈りの積み重ねを目にするようで、静かな感動を覚えるスポットです。
参拝のポイント
境内参拝は自由ですが、御朱印の受付は授与所の9:30〜17:00です。当社では「車折神社」と境内社「芸能神社」の2種類の御朱印がいただけるので、あわせて拝受するのがおすすめです。嵐電(京福電鉄)嵐山本線の「車折神社駅」を降りるとすぐ裏参道の入口という好立地で、電車利用が便利です。参拝者用の駐車場もありますが16:30に閉鎖されるため、車で訪れる場合は時間に余裕を持って参拝しましょう。
年中行事・お祭り
- 三船祭(5月第3日曜日):昭和天皇の即位を記念して昭和3年(1928年)に始まった祭事で、渡月橋上流の大堰川に御座船・龍頭船・鷁首船を浮かべ、平安時代の船遊びを雅やかに再現します。
- 重陽祭(9月9日):五節句の一つ「重陽の節句」にちなむ祭事で、菊の花を浮かべた菊酒が参拝者にふるまわれます。
- 火焚祭(11月23日):無数の護摩木を高さ約4メートルのかまど状に組み上げ、神事の後に焚き上げて無病息災を祈願する、晩秋を彩る神事です。
- 初詣(1月1日〜3日):芸能人の参拝も多いことで知られ、多くの参拝者で境内が賑わいます。
周辺のグルメ・観光
- 渡月橋:嵐山を象徴する桂川に架かる橋で、三船祭の舞台となる大堰川はこの橋のすぐ上流にあたります。車折神社からは徒歩や嵐電でアクセスでき、四季折々の景観が楽しめます。
- 嵐山竹林の小径:野宮神社から大河内山荘へと続く竹林のトンネルで、車折神社からもほど近い嵐山随一の人気散策スポットです。
- 嵐電(京福電鉄)嵐山本線:車折神社駅から嵐山駅まではわずか数分。レトロな路面電車に揺られながら嵯峨野・嵐山エリアの寺社めぐりを楽しめます。
よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 境内参拝は自由です。授与所は9:30〜17:00です。
- Q. 御朱印は?
- A. 9:30〜17:00、初穂料500円です。「車折神社」「芸能神社」の2種類がいただけます。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 参拝者駐車場があります(16:30閉鎖)。
- Q. 境内社「芸能神社」とはどんな神社?
- A. 昭和32年(1957年)創建の芸能の女神・天宇受売命を祀る境内社で、参道には俳優や歌手など芸能人・文化人が奉納した朱塗りの玉垣が4000枚以上並んでいます。
- Q. アクセス方法は?
- A. 嵐電(京福電鉄)嵐山本線「車折神社駅」下車すぐ、または市バス・京都バス「車折神社前」下車すぐです。



