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中山神社

中山神社

なかやまじんじゃ・岡山県津山市

写真: Reggaeman / CC BY-SA 3.0

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由緒

中山神社は、美作国の一宮として古くから篤い崇敬を集めてきた古社です。社伝では慶雲4年(707年)の創建と伝えますが、和銅6年(713年)に美作国が備前国から6郡を分けて成立した際、吉備の中山(現在の岡山市北区高松)から勧請されたとする説も有力です。文献上確実に登場するのは貞観2年(860年)の『日本三代実録』で、延喜式神名帳(927年)には美作国でただ一社の名神大社「中山神社」として記載され、その後も美作国一宮としての地位を保ち続けました。中世には『今昔物語集』に猿神を祀る神社として登場し、後白河法皇撰の『梁塵秘抄』でも安芸の厳島・備中の吉備津とともに歌に詠まれるなど、中世を通じて広く知られる存在でした。

主祭神は鏡作神(かがみつくりのかみ)、配祀神は天糠戸神・石凝姥神です。石凝姥神は天岩戸神話において八咫鏡を鋳造したと伝わる神で、金属の鋳造・加工に深く関わる神格とされます。明治4年(1871年)に近代社格制度で国幣中社に列格した際には、鉱山・鍛冶を司る神として知られる金山彦命が祭神として届け出られていた時期もありましたが、その後の考証を経て、第二次世界大戦後に現在の鏡作神を主祭神とする形に改められました。美作地方はかつて中国山地を背景にたたら製鉄が盛んな土地であり、中山神社が金属にゆかりの深い神々を祀ってきたことは、この地域の鉱業・製鉄の歴史と重ね合わせて語られることの多い由緒となっています。

見どころ

中山神社最大の見どころは、戦国時代の永禄2年(1559年)に守護代・尼子晴久の寄進によって再建された本殿です。方3間の入母屋造・妻入の建物正面に1間の向唐破風の向拝を付けた構造は「中山造」と呼ばれ、他の地方には例を見ない独特の様式として大正3年(1914年)に国の重要文化財に指定されました。単一の社殿としては全国でも有数の規模を誇り、桧皮葺の大屋根が織りなす重厚な佇まいは一見の価値があります。大正11年(1922年)に本殿の修理にあわせて建てられた拝殿・幣殿も同じ檜皮葺・入母屋造で統一されており、唐破風の向拝や格天井の美しさから、本殿に劣らぬ価値を持つ建造物として国の登録有形文化財に登録されています。

神門は、津山城二の丸にあった四脚薬医門を明治初頭に移築したもので、津山市の指定文化財となっています。境内には狛犬ならぬ「猿」の像が置かれていることでも知られ、『今昔物語集』に語られる猿神退治の伝説にちなむとされます。境内摂社の猿神社をはじめ、惣神殿・国司社・御崎社など複数の摂末社が並び、美作国一宮としての歴史の重層性を感じさせます。この「中山造」の様式は津山市内の美作総社宮や鶴山八幡宮(いずれも国指定重要文化財)、高野神社・徳守神社の本殿にも採用されており、中山神社が美作地方の神社建築における一つの規範となってきたことがうかがえます。

参拝のポイント

境内参拝は8:30〜17:00頃を目安に、祈祷の受付は8:00〜16:00です。御朱印は9:00〜17:00の間、社務所で初穂料500円にて直書きしていただけますが、宮司が他の神社を兼務し不在のこともあるため、確実に受けたい場合は事前に電話(0868-27-0051)で確認しておくと安心です。境内は津山市街地から北へ5〜6km離れた旧・作州街道沿いの静かな場所にあり、無料駐車場が約500台分用意されているため、車での参拝がおすすめです。公共交通機関を利用する場合はJR津山駅から中鉄バス「西田辺」行きに乗り、「一宮」バス停で下車します。本殿・拝殿・幣殿とも国の文化財に指定・登録されている貴重な建造物のため、間近で見学する際は建物に触れないよう配慮しましょう。

年中行事・お祭り

  • お田植祭・春季大祭(4月29日):五穀豊穣を祈願する神事で、白装束姿の氏子ら十数名が境内の石畳を田に見立てて鍬を振るい苗を植える所作を行い、雌雄2頭の獅子が笛や太鼓に合わせて舞います。古くから伝わる農耕儀礼として、地元はもとより県内外から多くの見物客が訪れます。
  • 秋季大祭・御神幸祭(11月3日):御神霊が氏子地域を渡御する秋の例祭で、地域を挙げて奉仕される中山神社最大級の祭事の一つです。
  • 御注連祭(12月):鎌倉時代の元寇(蒙古襲来)に際して全国の神社仏閣で行われた異国降伏祈願に由来するとされる神事で、年の暮れに境内で執り行われます。

周辺のグルメ・観光

  • 本光寺:中山神社と同じ一宮地区にある黄檗宗の寺院で、樹齢およそ300年、津山市指定天然記念物の「龍もくせい」2本で知られています。中山神社から徒歩圏内にあり、あわせて訪れやすいスポットです。
  • 美作総社宮:中山神社・高野神社と並ぶ「美作三社」の一つで、美作65郷912社を合祀する神社です。本殿は中山神社と同じ「中山造」の様式を伝える国指定重要文化財で、建築様式を見比べながら巡るのもおすすめです。
  • 道の駅 久米の里:地元産の野菜や特産品を扱う直売所と、津山の食材を活かした農家レストランを備えた道の駅です。参拝の行き帰りに立ち寄って、津山ならではの味覚を楽しめます。

よくある質問

Q. 中山神社の御祭神とご利益は?
A. 主祭神は鏡作神(かがみつくりのかみ)で、天糠戸神・石凝姥神の2柱を配祀します。石凝姥神は天岩戸神話で鏡を鋳造したとされる神で、金属加工・鋳造とゆかりの深い神々です。明治4年(1871年)に国幣中社に列格した際には、鉱山・鍛冶の神として知られる金山彦命が祭神とされていた時期もあり、戦後に現在の鏡作神を中心とする祭神名に改められました。こうした由緒から産業繁栄のご利益で知られるほか、4月29日のお田植祭にちなむ五穀豊穣、美作国一宮としての厄除けのご利益でも信仰を集めています。
Q. 中山神社の御朱印の受付時間と初穂料は?
A. 御朱印の初穂料は500円で、9:00〜17:00の間に社務所で直書きしていただけます。祈祷の受付は8:00〜16:00です。宮司が他の神事で不在の場合もあるため、確実に御朱印を受けたい場合は事前に社務所(0868-27-0051)へ確認しておくと安心です。
Q. 中山神社へのアクセス方法と駐車場は?
A. 車の場合はJR津山駅または中国自動車道・院庄ICから約15分です。公共交通機関ではJR津山駅から中鉄バス「西田辺」行きに乗り、約20分の「一宮」バス停で下車するとすぐです。境内には無料駐車場が約500台分用意されているため、車での参拝もしやすい神社です。
Q. 「中山造」とはどのような建築様式ですか?
A. 中山造とは、方3間の入母屋造・妻入の身舎正面に1間の向唐破風の向拝を付けた、津山市一帯にのみ見られる独特の神社本殿建築様式です。中山神社の本殿はその代表例で、戦国時代の永禄2年(1559年)に守護代・尼子晴久の寄進で再建され、大正3年(1914年)に国の重要文化財に指定されました。この様式は津山市内の美作総社宮や鶴山八幡宮(いずれも国指定重要文化財)、高野神社・徳守神社など周辺の神社本殿にも採用されており、美作地方における神社建築の一つの規範となっています。なお、大正11年(1922年)建造の拝殿・幣殿も本殿と同じ檜皮葺・入母屋造で統一され、国の登録有形文化財に登録されています。
Q. 中山神社のお田植祭とはどんなお祭りですか?
A. 毎年4月29日に斎行される春季大祭で、五穀豊穣を祈願する神事です。当日10時30分頃から本殿での祭典の後、御神霊を中門にお遷しし、白装束をまとった氏子ら十数名が石畳の境内を田に見立てて鍬を振るい苗を植える所作を行い、雌雄2頭の獅子が笛や太鼓に合わせて舞います。古くから伝わる農耕儀礼として、毎年多くの参拝者・観光客を集めています。このほか11月3日には御神幸祭を中心とする秋季大祭が、12月には鎌倉時代の元寇の際の祈願に由来するとされる御注連祭が執り行われます。

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