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英彦山神宮

英彦山神宮

ひこさんじんぐう・福岡県添田町

写真: そらみみ / CC BY-SA 4.0

写真

由緒

英彦山神宮が鎮座する英彦山は、福岡県添田町と大分県中津市にまたがる標高1,199メートルの霊峰で、古くから神が宿る山として崇められてきました。伝承では、継体天皇25年(531年)に北魏から渡来した僧・善正が猟師の藤原恒雄と出会ったことを機縁に開山したと伝えられていますが、確かな史料に姿を現すのは平安時代以降のことです。当初「彦山」と表記されていましたが、弘仁10年(819年)に嵯峨天皇の勅により文字が改められ、享保14年(1729年)には霊元法皇(霊元上皇)の勅許により「英」の字が加えられて「英彦山」の名が定まりました。

中世以降、英彦山は「英彦山権現」として神仏習合の一大修験道場に発展し、出羽三山・大峰山と並ぶ日本三大修験の霊山に数えられました。最盛期には山中に多数の坊舎が立ち並び、数千人ともいわれる山伏(修験者)が49の窟で厳しい修行に励んだと伝えられています。江戸時代には歴代の藩主からも篤い崇敬を受け、寛永14年(1637年)には佐賀藩主・鍋島勝茂が銅の鳥居を、元和2年(1616年)には小倉藩主・細川忠興が現在の奉幣殿を寄進するなど、九州各地の大名による寄進が相次ぎました。

明治維新後の神仏分離令により、明治4年(1871年)に寺院としての性格を離れて「英彦山神社」となり、それまでの座主家は還俗して高千穂を名乗りました。その後、昭和50年(1975年)6月24日、戦後3例目となる「神宮」号への改称が許され、現在の「英彦山神宮」という社号になりました。主祭神・正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命は天照大神の御子神とされ、伊耶那岐命・伊耶那美命とともに祀られています。

見どころ

参道の入り口に立つ「銅の鳥居」は、寛永14年(1637年)に佐賀藩主・鍋島勝茂が寄進した青銅製の明神鳥居で、昭和14年(1939年)に国の重要文化財に指定されました。掲げられている「英彦山」の扁額は、享保19年(1734年)に霊元法皇の命によって京都から運ばれたもので、鳥居そのものが持つ歴史とあわせて英彦山信仰の象徴とされています。

銅の鳥居から石段の参道を上った先にある奉幣殿は、元和2年(1616年)に小倉藩主・細川忠興によって再建された建物で、明治40年(1907年)に国の重要文化財に指定されています。もとは霊仙寺の講堂として建てられたもので、江戸時代を通じて幾度も修理を重ねながら今日までその姿を伝えています。奉幣殿は標高約700メートルの中腹に位置し、山頂の上宮まで参拝が難しい積雪期でも祭祀や祈願が行われる、実質的な本殿としての役割を担っています。

境内から山頂の上宮へと続く表参道には、大小合わせて約1,000段ともいわれる石段が連なり、老杉に囲まれた荘厳な雰囲気の中を歩くことができます。徒歩ではおよそ40分かかる銅の鳥居から奉幣殿までの区間は、平成17年(2005年)開業の英彦山スロープカーを利用すれば約7分で結ばれ、バリアフリーで山の霊気を体感できます。春の新緑、秋の紅葉と、四季を通じて美しい山岳の景観も英彦山神宮ならではの魅力です。

参拝のポイント

境内の参拝そのものは終日可能ですが、御朱印など授与所の受付は9:00〜17:00頃です。奉幣殿までは銅の鳥居から徒歩で300段以上の石段を上る必要があるため、歩きやすい靴での参拝がおすすめです。足に不安がある方や時間を短縮したい方は、花駅・神駅間を約7分で結ぶ英彦山スロープカー(8:40〜17:10頃、20分間隔、大人片道350円)の利用が便利です。山頂の上宮まで足を延ばす場合は本格的な登山装備が必要になるため、天候や体力を考慮したうえで計画してください。冬季は積雪や路面凍結が生じることもあるので、事前に道路状況やスロープカーの運行状況を確認しておくと安心です。

年中行事・お祭り

  • 元旦祭(1月1日):新年を寿ぐ年始の祭典で、初詣の参拝者で賑わいます。
  • 節分祭(2月3日):邪気を祓い開運を願う祭事で、星祭りとあわせて執り行われます。
  • 祈年御田祭(3月15日):五穀豊穣を祈願する春の祭礼で、田植えの所作を模した神事が奉納されます。
  • 御神幸祭(4月第2土曜日・翌日曜日):御神霊を奉じた神輿が奉幣殿から山を下り、参道を練り歩く田川地区最大級の春祭り。土曜14時に山を下り、翌日曜14時に還御します。
  • 例大祭・権現講社大祭(9月28日):一年で最も重要な祭典で、氏子や講社の代表者が参列して神恩に感謝し、国家安泰・五穀豊穣を祈願します。

周辺のグルメ・観光

  • 道の駅 歓遊舎ひこさん:添田町産の新米を使ったクラフトビール「添田ライスラガー」や、英彦山麓で百年以上続く原木栽培の乾椎茸など、地元の特産品が並ぶ直売所。森の中を渡り歩くフォレストアドベンチャーも併設されています。
  • 旧数山家住宅:天保13年(1842年)建築の茅葺き民家で、英彦山の登拝口のひとつ「津野口」に位置する国指定重要文化財。江戸後期の農家建築の姿を今に伝えています。
  • 英彦山花園・英彦山スロープカー花駅:銅の鳥居のそばにあるスロープカー乗り場周辺は、四季折々の花や紅葉が楽しめるスポットで、参拝前後の休憩に立ち寄る参拝者も多く見られます。

よくある質問

Q. 英彦山神宮の「銅の鳥居」とはどんなものですか?
A. 寛永14年(1637年)に佐賀藩主・鍋島勝茂が寄進した青銅製の鳥居で、昭和14年(1939年)10月25日に国の重要文化財に指定されています。かつては現在より背が高い姿でしたが、貞享3年(1686年)頃に現在地へ移設された際、柱の輪を一段ずつ外したため今の高さになったと伝わります。「英彦山」の扁額は享保19年(1734年)、霊元法皇(霊元上皇)の命により京都から運ばれて掲げられたものです。
Q. 英彦山神宮へのアクセス方法とスロープカーの料金を教えてください。
A. JR日田彦山線「添田駅」からBRT日田彦山線ひこぼしラインに乗り「銅の鳥居」バス停で下車後、英彦山スロープカーの「花駅」から「神駅」まで約7分(469m)で結ばれています。運賃は片道大人350円・往復700円(小児は片道250円・往復500円)で、8:40〜17:10頃の間、20分間隔で運行しています。神駅から奉幣殿までは徒歩約5分です。車の場合は銅の鳥居駐車場(70台)または別所駐車場(50台)が無料で利用できます。
Q. 御朱印はいただけますか。受付時間と初穂料は?
A. 奉幣殿そばの社務所で御朱印をいただくことができます。受付時間は9:00〜17:00頃、初穂料は300円です。
Q. 英彦山神宮はなぜ修験道の聖地とされているのですか?
A. 英彦山は出羽三山・大峰山と並ぶ日本三大修験道の霊山のひとつで、中世以降「英彦山権現」として多くの山伏(修験者)を擁する一大修行道場として栄えました。最盛期には山中に多数の坊舎が立ち並び、49の窟(岩屋)が修行の場として使われていたと伝わります。明治の神仏分離により英彦山神社となり、昭和50年(1975年)に英彦山神宮へ改称しました。
Q. 英彦山神宮に駐車場はありますか?
A. 銅の鳥居のそばに銅の鳥居駐車場(70台、無料)、その手前に別所駐車場(50台、無料、24時間利用可、トイレあり)があります。いずれも境内までは参道の石段や英彦山スロープカーを利用して向かいます。

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