由緒
根津神社は、約1,900年前、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際に、素盞嗚命を祀ったのが起源と伝えられる古社です。当初は千駄木の地にありましたが、江戸時代に入ると、5代将軍徳川綱吉との深い縁によって現在地への移転が実現しました。
綱吉の兄で甲府藩主だった徳川綱重の下屋敷が、現在根津神社が鎮座する土地にありました。綱吉は世継ぎに恵まれなかったため、兄・綱重の子である綱豊(後の6代将軍・家宣)を養嗣子に迎えることになり、その際、家宣の産土神(うぶすながみ)として根津の地に壮大な社殿を造営することを決めます。宝永3年(1706年)、屋敷跡地に本殿・拝殿・幣殿・唐門・楼門・透塀・西門からなる権現造の社殿一式が完成し、これが「天下普請」と呼ばれる将軍家による社殿造営でした。現存するこの7棟は国の重要文化財に指定されており、江戸時代の面影を色濃く残す貴重な建築群として高く評価されています。
明治以降は東京十社のひとつに数えられ、根津・千駄木・向丘一帯の総鎮守として、地域の人々から篤い崇敬を受け続けています。
見どころ
根津神社最大の見どころは、江戸時代の権現造建築がほぼ完全な形で残る社殿群です。本殿と拝殿を幣殿でつなぐ複合社殿は、極彩色の彫刻や漆塗りの意匠が随所に施され、300年以上の風雪に耐えてきた重厚な佇まいを見せています。唐門・楼門・透塀もあわせて国の重要文化財に指定されており、日光東照宮にも通じる江戸初期の建築様式を東京都心で間近に見られる稀有な例です。
境内西側に広がる「つつじ苑」は、綱重が藩主を務めていた上州館林(現・群馬県館林市)から移植したキリシマツツジがルーツとされ、約2,000坪の敷地に100種3,000株のツツジが植えられています。4月中旬から5月上旬にかけて一斉に咲き誇る光景は圧巻で、毎年「文京つつじまつり」が開催され、多くの見物客で賑わいます。
つつじ苑の奥にある乙女稲荷神社へと続く参道には、朱塗りの小さな鳥居が隙間なく連なる「千本鳥居」があります。伏見稲荷大社の千本鳥居ほどの規模ではないものの、都心とは思えない神秘的な空間として、外国人観光客にも人気の撮影スポットとなっています。
参拝のポイント
表参道の楼門をくぐり、唐門から本殿へと向かうのが正式な参拝順路です。境内そのものの拝観は自由ですが、つつじまつりの期間中はつつじ苑への入苑に協力金(志納)が必要になる年もあるため、事前に公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。御朱印や御祈祷を受ける授与所・社務所は9:30〜16:30頃の受付となっており、七五三や結婚式で訪れる参拝者も多いため、週末は時間に余裕を持って参拝するのがおすすめです。乙女稲荷神社の千本鳥居は特に朝の早い時間帯が人も少なく、静かな雰囲気の中で撮影を楽しめます。
年中行事・お祭り
- 文京つつじまつり(4月中旬〜5月上旬):つつじ苑の見頃にあわせて開催される、根津神社を代表する行事。期間中は多くの露店も並び、都内屈指の花見スポットとして賑わう。
- 例大祭(9月中旬の土日):4年に一度「本祭り」の年には宮神輿の渡御が行われ、氏子町内を巡行する。中間の年は町神輿が連合で宮入りする「蔭祭」となる。社伝の神楽「三座ノ舞」の奉納も見どころ。
- 節分祭(2月上旬):豆まき神事が執り行われる、一年の無病息災を祈る行事。
- 七五三詣(10月〜11月):色鮮やかな社殿を背景に、多くの家族連れが記念参拝に訪れる。
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よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 境内は6:00〜17:00を基本に季節により開閉時間が変わります(3月・9月は18:00、11月〜1月は17:00、2月・10月は17:30閉門)。授与所は9:30〜16:30頃、閉門の30分前までの受付です。
- Q. 御朱印は?
- A. 9:00〜17:00の受付で、初穂料300円からいただけます。根津神社のほか、境内社の乙女稲荷神社・駒込稲荷神社の御朱印もあります。
- Q. アクセス方法は?
- A. 東京メトロ千代田線「根津駅」「千駄木駅」、南北線「東大前駅」から徒歩約5分です。都営三田線「白山駅」からも徒歩約10分でアクセスできます。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 北参道側に有料駐車場(約23台)があります。参拝の方には社殿脇の受付でサービス券が発行されるほか、祈祷・婚礼参列者は境内駐車場を無料で利用できます。
- Q. つつじまつりはいつ頃ですか?
- A. 例年4月中旬から5月上旬にかけて「文京つつじまつり」が開催されます。約2,000坪のつつじ苑に100種3,000株のツツジが咲き誇り、期間中は入苑料(大人200円程度)が必要です。



