由緒
酒列磯前神社の創建は、社伝によれば斉衡3年(856年)12月29日にさかのぼります。常陸国鹿島郡(現在の大洗町)の海岸で製塩を営んでいた者に神がかりが起こり、「我は大己貴命・少彦名命なり。かつて国造りを終えて常世の国へ去ったが、人々を救うためにこの地へ帰ってきた」という趣旨の託宣を下したと伝えられています。この奇瑞をきっかけに、那珂川をはさんで北岸の大洗の地に大己貴命を祀る大洗磯前神社が、南岸の現在のひたちなか市磯崎の地に少彦名命を祀る酒列磯前神社が、ほぼ同時に創建されたとされています。翌天安元年(857年)8月7日には両社そろって朝廷から官社に列せられ、「酒列磯前薬師菩薩明神」の神階を授かりました。延喜の制では名神大社に数えられ、明治18年(1885年)には国幣中社に列格しています。
中世には他の多くの社と同様に戦乱で荒廃した時期がありましたが、江戸時代に入り水戸藩によって再興が進められました。特に水戸藩2代藩主・徳川光圀は、参道に椿を植えるなど境内の整備に力を注いだと伝わり、その並木は樹齢300年を超える古木として今も残っています。
御祭神は少彦名命を主祭神とし、大己貴命を配祀します。少彦名命は大己貴命とともに国造りを成し遂げた神とされ、医薬・醸造・温泉の神として、病気平癒・健康長寿の御利益で古くから篤く信仰されてきました。那珂川を挟んで向き合う大洗磯前神社とは、社伝に基づく共通の創建神話を持つ「兄弟社」であり、あわせて参拝する人も多く見られます。
見どころ
酒列磯前神社最大の見どころのひとつが、社頭から本殿へと続く約300メートルの参道を覆う椿とタブノキの並木です。水戸藩2代藩主・徳川光圀の命によって整備が進められたと伝わり、樹齢300年を超える古木がトンネルのように参道を覆っています。この一帯は椿やタブノキ、スダジイなどからなる貴重な広葉樹林として、平成17年(2005年)に茨城県の天然記念物「酒列磯前神社の樹叢」に指定されました。冬から早春にかけては椿の花が参道を彩り、多くの参拝者や写真愛好家を惹きつけています。
拝殿前に置かれた石像「幸運の亀」も見逃せません。宝くじの高額当選者が奉納したと伝えられる亀の像で、これを撫でると金運が上がるという評判が広まり、近年は「金運最強神社」としてテレビや雑誌でもたびたび紹介されるようになりました。社殿には左甚五郎の作と伝わるリスとぶどうの彫刻も施されており、江戸期の精緻な彫刻技術を伝える見どころのひとつです。境内からは太平洋を望む一の鳥居・二の鳥居も置かれ、水戸藩9代藩主・徳川斉昭が競馬(馬追い)神事の折に腰かけたと伝わる石など、水戸藩ゆかりの史跡も点在しています。
参拝のポイント
境内には閉門の定めがなく終日参拝が可能ですが、お守りや御朱印を扱う授与所は8:00〜16:00の受付です。御祈祷は9:00〜15:00の受付で、当日でも申し込みが可能です。境内東側に無料駐車場が約60台分ありますが、初詣・節分・七五三、あじさいや椿の見頃の時期は混雑しやすいため、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。隣接する大洗磯前神社とあわせて参拝する場合は、那珂川を挟んで車で15〜20分程度の距離です。
年中行事・お祭り
- 例大祭(例年8月25日):酒列磯前神社にとって最も重要な祭礼で、神社本庁からの献幣使を迎えて斎行されます。年によっては能楽奉納などの奉祝行事も行われます。
- 節分祭(2月3日頃):邪気を払い、一年の無病息災を祈願する行事です。
- 平磯三社祭(3年に一度、8月):酒列磯前神社を含む平磯地区の三社が合同で行う渡御祭で、地域を挙げての大祭として知られています。
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よくある質問
- Q. 酒列磯前神社と大洗磯前神社はどんな関係にあるのですか?
- A. 社伝によれば、斉衡3年(856年)12月29日に大己貴命・少彦名命の二神が那珂川河口の大洗の海岸に降臨したという奇瑞があり、これを機に那珂川の北岸に大洗磯前神社が、南岸の現在のひたちなか市磯崎の地に酒列磯前神社が同時に創建されたと伝わります。大洗磯前神社には主祭神として大己貴命、酒列磯前神社には少彦名命がそれぞれ祀られ、『二社で一つの信仰』を成す兄弟社とされています。
- Q. 酒列磯前神社の御朱印の受付時間と初穂料は?
- A. 授与所の受付時間は8:00〜16:00、御朱印の初穂料は500円です。月替わりで意匠が変わる限定御朱印も頒布されており、こちらは1,000円のものもあります。
- Q. 酒列磯前神社へのアクセス方法は?
- A. ひたちなか海浜鉄道湊線「磯崎駅」から徒歩約10分です。JR常磐線「勝田駅」からは同鉄道で約25分。車の場合は東水戸道路「ひたちなかIC」から約10分(約4km)、国営ひたち海浜公園からも車で約10分の距離です。
- Q. 酒列磯前神社の椿の参道はいつ見頃ですか?
- A. 参道の両側には樹齢300年を超える椿やタブノキが並び、江戸時代に水戸藩2代藩主・徳川光圀の命で整備されたと伝わります。見頃は冬から早春(例年1月〜3月頃)で、この一帯は茨城県の天然記念物に指定された樹叢としても知られています。
- Q. 酒列磯前神社が『金運のパワースポット』と言われるのはなぜですか?
- A. 拝殿前に置かれた石像『幸運の亀』は、宝くじの高額当選者が奉納したものと伝えられ、これを撫でると金運が上がるとして近年広く知られるようになりました。少彦名命が医薬の神であることから病気平癒・無病息災の御利益でも古くから信仰されており、金運と健康の両面で参拝者を集めています。



