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高鴨神社

高鴨神社

たかかもじんじゃ・奈良県御所市

写真: Saigen Jiro / CC0 1.0

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由緒

高鴨神社は奈良県御所市鴨神、金剛山の東麓に鎮座する神社で、社伝によれば弥生時代中期にはすでにこの地で祭祀が行われていたと伝わる、日本でも屈指の古い歴史を持つ神社です。この一帯は大和の名門豪族・鴨(賀茂)氏発祥の地とされ、境内には氏族の祖霊を祀る古代からの信仰の姿が今なお息づいています。

『延喜式』神名帳には「高鴨阿治須岐託彦根命神社四座」の名で記載され、月次・相嘗・新嘗の祭に朝廷から幣帛を受ける名神大社として最高の社格を誇りました。清和天皇の貞観元年(859年)正月には、大和を代表する大神神社・大和大国魂神社とあわせて、本社の御祭神も従一位に叙せられています。

弥生時代のなかば、鴨族の一部はこの丘陵の地から大和平野の南西端、現在の御所市域へと移り住み、葛城川のほとりに鴨都波神社を祀って水稲耕作を始めたと伝わります。さらに時代が下ると、鴨氏の一族は山城国(現在の京都)へも進出し、上賀茂神社(賀茂別雷神社)・下鴨神社(賀茂御祖神社)を創建しました。こうした経緯から、高鴨神社は上賀茂・下鴨の両社をはじめとする全国の「鴨」「賀茂」「加茂」を名乗る神社の総本宮・元宮であるとされています。

現在の本殿は室町時代の天文12年(1543年)に再建されたもので、三間社流造の建築様式を今に伝える国指定重要文化財です。境内には東本殿・西本殿のほか16の摂末社が並び、大きな杜に包まれた社叢の中心には、県指定文化財の建築や、天然記念物に指定された大杉の巨木もそびえています。

御祭神

主祭神の阿治志貴高日子根命(あぢすきたかひこねのみこと)は、『古事記』では「迦毛之大御神(かものおおみかみ)」という尊称でも呼ばれています。『古事記』の中で「大御神」の称号を与えられている神は天照大御神など数柱に限られ、阿治志貴高日子根命がその一柱に数えられていることは、この神の格別に高い神格を物語っています。

『古事記』『日本書紀』の神話によれば、阿治志貴高日子根命は、姿かたちが亡くなった天稚彦命(あめわかひこのみこと)とよく似ていたため、天稚彦命の葬儀に弔問に訪れた際に、遺族から「亡き天稚彦命が生き返った」と誤って抱きつかれてしまいます。死人と間違われたことに激怒した阿治志貴高日子根命は、剣を抜いて喪屋を切り伏せ、その喪屋は地上に落ちて美濃国の喪山になったと伝えられています。この「死者と見紛われながらも自ら喪屋を打ち払った」という神話に由来して、阿治志貴高日子根命は再生・蘇り、そして病気平癒の神として篤い信仰を集めてきました。

あわせて、事代主命(大国主命の御子神)、阿治須岐速雄命、そして阿治志貴高日子根命の妹神である下照比売命、その配偶神である天稚彦命が祀られています。

見どころ

境内の一角に広がる「宮池」は、色とりどりの鯉が泳ぐ美しい池で、池畔には奉納舞台が設けられています。仲秋の名月の夜にはこの舞台で雅楽が奉奏され、幽玄な雰囲気に包まれます。参道には楠木正成の像も置かれ、静かな杜の中を歩きながら摂末社を巡ることができます。

もうひとつの見どころが、明治末期から親子孫三代にわたって蒐集・栽培されてきたニホンサクラソウです。例年4月下旬から5月上旬にかけて、500種類以上ともいわれる色とりどりのサクラソウが境内を彩り、この時期にあわせて多くの参拝者・愛好家が訪れます。

参拝のポイント

境内は8:00〜17:00に開いていますが、御朱印やお守りを受けられる授与所は8:00〜16:30までとなるため、時間に余裕を持って訪れましょう。近鉄御所駅からはバスとやや距離があるため、車での参拝も便利です(境内前に無料駐車場2ヶ所あり)。金剛山の山懐に抱かれた立地のため、夏でも涼やかな空気が感じられるという声も多く、静かに参拝したい方におすすめの古社です。

周辺のグルメ・観光

  • 高天彦神社:高鴨神社と並び葛城古道沿いに鎮座する古社。高天原伝説ゆかりの地とされ、あわせて参拝する人も多い。
  • 葛城古道:金剛山・葛城山の東麓を南北に結ぶ古道で、高鴨神社をはじめとする古社や棚田の風景が点在する散策路。
  • 金剛山:高鴨神社の背後にそびえる霊峰で、登山口からのハイキングコースが整備されている。

よくある質問

Q. 参拝時間は?
A. 境内への参拝は8:00〜17:00です。御朱印やお守りを受けられる授与所は8:00〜16:30、御祈祷の受付は9:00〜15:00となります(祭事・彼岸の時期を除く)。
Q. 御朱印はいただけますか?
A. はい、授与所にて8:00〜16:30の間でいただけます。初穂料をお納めしていただく形となりますので、詳しい金額は授与所にてご確認ください。
Q. アクセス方法は?
A. 近鉄御所線「近鉄御所駅」からバスで約30分、「風の森」バス停下車後、徒歩約15分です。車の場合は京奈和自動車道「御所インターチェンジ」から約10分、近鉄御所駅・JR御所駅からタクシーで約15〜20分です。
Q. 駐車場はありますか?
A. 境内前に参拝者用の無料駐車場が2ヶ所用意されています。
Q. 高鴨神社が「全国の鴨社の総本宮」と呼ばれるのはなぜですか?
A. 高鴨神社が鎮座するこの地は、大和の名門・鴨(賀茂)氏発祥の地とされ、弥生時代中期にはすでに祭祀が行われていたと伝わります。鴨氏の一部がのちに山城国(現在の京都)へ進出して上賀茂神社・下鴨神社を創建したことから、京都の賀茂社を含む全国の「鴨」「賀茂」「加茂」を名乗る神社の総本宮・元宮とされています。

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