由緒
鹿児島神宮は、九州南部を代表する古社のひとつで、大隅国の一宮として篤い崇敬を集めてきました。創祀の年代は神代とも神武天皇の時代ともいわれ、社伝では和銅元年(708年)に現在の地へ遷座したと伝えられています。『延喜式』神名帳には大隅国で唯一の名神大社として記載され、古くは「大隅正八幡宮」「国分八幡宮」とも呼ばれてきました。明治7年(1874年)には「神宮」の称号を許され、明治28年(1895年)には官幣大社に列せられています。
主祭神である彦火火出見尊(山幸彦)と豊玉比売命は、『古事記』に伝わる「海幸彦・山幸彦」神話の主人公です。兄・海幸彦から借りた釣針をなくした山幸彦は、海神の宮を訪れて豊玉比売命と結ばれ、鹿児島の地に宮を構えて暮らしたと伝えられています。この二柱の間に生まれた子の系譜は、初代天皇とされる神武天皇へとつながるとされ、鹿児島神宮は皇室の祖先神話にゆかりの深い神社として、古くから特別な崇敬を受けてきました。のちに仲哀天皇・応神天皇・神功皇后・仲姫命も合わせ祀られています。
現在の本殿・拝殿は、江戸時代中期の宝暦6年(1756年)、薩摩藩主・島津重年の寄進によって造替されたもので、勅使殿や摂社四所神社本殿とともに国の重要文化財に指定されています。極彩色と漆塗りで仕上げられた本殿は、南九州の神社建築の中でも際立って大規模かつ豪華な意匠を誇り、向拝の柱に巻き付く龍の彫刻など、地方色豊かな装飾が随所に見られます。
見どころ
参道の入口に立つ大きな石造りの大鳥居は、鹿児島神宮を象徴する景観のひとつです。ここから深い緑に包まれた参道を進むと、極彩色に彩られた本殿・拝殿・勅使殿が姿を現し、江戸時代中期の職人による精緻な彫刻や意匠を間近に見ることができます。境内は隼人の町を見下ろす高台に位置し、社叢の緑と朱塗りの社殿が織りなす景観は、九州有数の古社にふさわしい風格を漂わせています。
境内近くには「隼人塚」と呼ばれる国指定史跡もあり、鹿児島神宮の神幸祭(隼人浜下り)とも関わりの深い、平安時代の仏教遺跡と考えられている石塔群を見学できます。あわせて、隼人町周辺には日当山温泉郷をはじめとする温泉地も点在しており、参拝後にゆったりと立ち寄るのもおすすめです。
参拝のポイント
山幸彦と豊玉比売命が結ばれ、その子孫が代々皇室へとつながるという神話にちなみ、鹿児島神宮は夫婦円満や安産のご利益で知られています。結婚を控えたカップルや、安産祈願を希望する参拝者の姿も多く見られます。
境内は終日参拝が可能ですが、御朱印や祈祷の受付は8:30〜17:00となっているため、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。無料駐車場が約200台分整備されているため車での参拝もしやすい一方、JR「隼人駅」から徒歩約15分というアクセスの良さもあります。特に3月に行われる「初午祭」の期間中は多くの人出で賑わうため、公共交通機関の利用も検討するとよいでしょう。
年中行事・お祭り
- 初午祭(旧暦1月18日を過ぎた最初の日曜日、例年3月頃): 約500年の歴史を持つ鹿児島神宮を代表する祭礼です。室町時代の天文年間、僧・日秀上人、島津貴久、正八幡宮の神官の3人が同じ夜に馬頭観音の霊夢を見たという故事に由来し、鈴や花で飾った20頭以上の馬が囃子に合わせてステップを踏む「鈴かけ馬」の踊りが披露されます。国の重要無形民俗文化財に指定されており、例年多くの見物客を集める、鹿児島県を代表する春の祭りのひとつです。
- 例祭: 神宮としての格式にふさわしい年中の祭事が執り行われ、地域の氏子を中心に篤い崇敬が寄せられています。
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よくある質問
- Q. 鹿児島神宮の御祭神はどんな神様ですか?
- A. 主祭神は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと、山幸彦)と、その妃である豊玉比売命(とよたまひめのみこと)です。『古事記』に伝わる「海幸彦・山幸彦」神話の主人公にあたり、皇室の祖先神話にもつながる神様として、あわせて仲哀天皇・応神天皇・神功皇后・仲姫命も祀られています。
- Q. ご利益は何ですか?
- A. 山幸彦と豊玉比売命が結ばれ、その子孫が代々皇室に連なるとされる神話にちなみ、夫婦円満や安産のご利益で知られています。
- Q. 御朱印はいただけますか?
- A. はい、初穂料500円でいただけます。受付時間は8:30〜17:00です。「大隅國一之宮」の墨書きに菊の御紋と鹿児島神宮の朱印が押された御朱印を直書きでいただけます。
- Q. アクセス方法は?
- A. JR日豊本線「隼人駅」から徒歩約15分、またはバスの利用が便利です。車の場合は九州自動車道「隼人東IC」から約5分で、無料駐車場(約200台分)も利用できます。
- Q. 初午祭とはどんなお祭りですか?
- A. 約500年の歴史を持つ鹿児島神宮の代表的な祭礼で、旧暦1月18日を過ぎた最初の日曜日に行われます。鈴や花で飾った20頭以上の馬が音楽に合わせてステップを踏む「鈴かけ馬」の踊りが見どころで、国の重要無形民俗文化財に指定されており、例年多くの見物客で賑わいます。



