由緒
吉備津神社は、かつて日本有数の勢力を誇った古代吉備国の総鎮守として、備中国一宮に位置づけられてきた大社です。創建の正確な時期は分かっていませんが、延長5年(927年)にまとめられた延喜式神名帳ではすでに名神大社として記載されており、平安時代以前から高い社格を誇っていたことがうかがえます。ご祭神の大吉備津彦命は第7代孝霊天皇の皇子で、大和朝廷の命を受けて吉備国を平定した英雄として伝えられています。
社伝によれば、大吉備津彦命は吉備の中山北麓の鬼ノ城を拠点に人々を苦しめていた温羅(うら)という鬼神を退治したとされ、この鬼退治の伝説が全国に広まる過程で「桃太郎」の物語の原型になったと考えられています。吉備路一帯が桃太郎伝説の舞台とされるのはこのためで、境内には温羅にまつわる矢置岩や、鬼の首を埋めたと伝わる御竈殿など、伝説ゆかりの史跡が今も点在しています。現在の本殿・拝殿は応永32年(1425年)、室町幕府三代将軍・足利義満の命により再建されたもので、国宝に指定されています。
見どころ
吉備津神社最大の見どころは、国宝に指定される本殿・拝殿です。入母屋造の屋根を前後に二つ連ねた「比翼入母屋造(吉備津造)」は全国でも唯一この神社にしか見られない建築様式で、複雑に重なり合う破風の美しい稜線は、遠くから眺めても、間近で見上げても飽きることがありません。
境内のもう一つの象徴が、本殿脇から南に約360メートルにわたって伸びる「廻廊」です。天正7年(1579年)に築かれたと伝わるこの回廊は、緩やかに起伏する参道の地形に沿って一直線に続いており、四季折々の花に彩られながら歩く回廊はまるで一枚の絵のような美しさです。回廊の途中にある御竈殿では、大釜が鳴る音で吉凶を占う神事「鳴釜神事」が今も行われており、桃太郎伝説の鬼退治の物語と重なる神秘的な体験ができます。
参拝のポイント
JR吉備津駅から一の鳥居までは徒歩約200メートル、そこから松並木の参道を抜けて本殿まではさらに約500メートルあり、境内散策も含めると1時間前後を見ておくと安心です。廻廊は屋根付きのため小雨の日でも歩きやすく、境内は起伏があるため歩きやすい靴がおすすめです。御朱印は授与所で9時から16時まで受け付けており、桃太郎の絵にちなんだ御朱印帳も人気を集めています。
年中行事・お祭り
- 春季大祭・七十五膳据神事(5月第2日曜):御供殿から本殿まで75の膳を運び献供する県下三大祭の一つで、百数十人の行列が廻廊を練り歩く壮観な神事です。
- 秋季大祭・七十五膳据神事(10月第2日曜):春季とあわせ年2回執り行われる献饌の神事で、秋の実りに感謝しながら古式ゆかしい行列が奉仕されます。
- 矢立の神事(1月3日):大吉備津彦命の温羅退治にちなみ、邪気を祓う矢を放つ新年恒例の神事です。
- 夏至祭(6月頃):一年で最も日が長い日に、参道の正面から朝日が昇る様子を拝む神事で、「朝日の宮」とも呼ばれる吉備津彦神社と並び知られています。
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よくある質問
- Q. 参拝時間は?
- A. 境内参拝は5:00〜18:00、授与所は9:00〜16:00です。
- Q. 御朱印は?
- A. 9:00〜16:00、初穂料300円(直書きは500円)です。
- Q. 駐車場はありますか?
- A. 第1・第2駐車場があります(有料、最初の20分無料・以降60分300円)。
- Q. 桃太郎伝説との関係は?
- A. ご祭神・大吉備津彦命による鬼退治の伝説が「桃太郎」の物語の原型になったとされ、境内には温羅にまつわる史跡が点在しています。
- Q. アクセス方法は?
- A. JR吉備線「吉備津駅」から徒歩約10分です。



