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丹生都比売神社

丹生都比売神社

にうつひめじんじゃ・和歌山県かつらぎ町

写真: Zairon / CC BY 4.0

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由緒

丹生都比売神社は、高野山の北西、紀の川流域の山あいに広がる天野盆地に鎮座する古社で、高野山の地主神・守り神として知られています。式内社(名神大社)であり、紀伊国一之宮として篤い崇敬を受けてきました。全国に約180社あるとされる丹生都比売神を祀る神社の総本社でもあります。創建の年代は明らかではありませんが、神社では1700年以上の歴史を伝えており、『播磨国風土記』逸文には、神功皇后の三韓出兵に際して赤土を授けて勝利に導いた「爾保都比売命」の名が見えます。

主祭神の丹生都比売大神(丹生明神)は、朱(丹)の原料となる朱砂(辰砂)に関わる女神とされ、水の神とする説もあります。神社では、あらゆる災厄を祓う神として仰がれています。第二殿の高野御子大神(狩場明神)は丹生都比売大神の御子神とされ、弘法大師(空海)を高野山へ導いた神として伝わります。伝承では、空海は二頭の犬を連れた猟師の姿で現れた高野御子大神に導かれ、さらに山の民の姿で現れた丹生都比売大神から高野山の土地を譲られたとされ、これが高野山開創の由来となっています。そのため、境内にはいまも白黒二頭の犬にちなんだ「ご神犬」が親しまれています。

このほか、第三殿に大食津比売大神(気比明神)、第四殿に市杵島比売大神(厳島明神)が祀られ、四柱を総称して「四所明神」と呼びます。第三殿・第四殿の二柱は、鎌倉時代前期(13世紀初頭)に気比神宮(福井県)と厳島神社(広島県)から勧請されたと伝えられています。また、元寇(蒙古襲来)の際に神威を示したとして公家・武家から多くの寄進を受けたと伝わります。

境内の本殿4棟(附:宮殿4基)と楼門は国の重要文化財、境内は国の史跡に指定されており、平成16年(2004年)7月、熊野三山などとともにユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として登録されました。神社の本殿・楼門・境内が構成資産で、社の背後を通る高野山の表参道・町石道も同じ世界遺産の参詣道にあたります。

見どころ

境内への入口で出迎えるのが、鏡池に架かる朱塗りの輪橋(太鼓橋)です。慶長年間(1596〜1615年)に豊臣秀吉の側室・淀殿の寄進で建立されたと伝わり、神さまが渡る橋とされています。大きく弧を描く橋の向こうに鳥居と社殿を望む景色は、この神社を代表する眺めです。橋のそばの禊橋の擬宝珠には、祓いの具と朱が納められているとされ、渡る参拝者を清めると伝わります。

その奥に建つ楼門は、明応8年(1499年)に造営された三間一戸の入母屋造・檜皮葺の朱塗りの門で、国の重要文化財に指定されています。門の奥には、第一殿から第四殿までの本殿4棟が一列に並びます。いずれも一間社春日造・檜皮葺で、それぞれの殿に一柱ずつ祭神が祀られています。室町時代の文明年間や江戸時代(1715年)、明治時代(1901年)に再建された棟が並び、古い時代の面影を伝えています。

宝物では、平安時代末期にさかのぼる刀装「銀銅蛭巻太刀拵(ぎんどうひるまきたちこしらえ)」が国宝に指定されています(東京国立博物館に寄託)。また、本殿・楼門のほかにも、鎌倉時代の木造狛犬や金銅琵琶、神輿、太刀類などが国の重要文化財に指定されています。

毎月16日の月次祭の日には、二頭の紀州犬のご神犬(すずひめ号・大輝号)が公開されます(10月を除く、10:00〜11:30/13:00〜14:30)。御朱印にもこの日だけご神犬の判が押され、参拝者の楽しみになっています。

参拝のポイント

丹生都比売神社は天野盆地の里山の中にあり、最寄りのJR笠田駅からはかつらぎ町コミュニティバスで約30分かかります。バスは本数が限られるため、事前に時刻を確認しておくと安心です。車の場合は京奈和自動車道「かつらぎ西IC」から約20分、高野山からも約30分で、無料駐車場が利用できます。

古くから、高野山へ登る前にまず丹生都比売神社へ参拝する習わしがあったとされます。高野山の表参道である町石道を歩く場合も、神社の背後の尾根上から続く枝道(八町坂)を通って参拝できます。境内参拝は無料です。

年中行事・お祭り

  • 御田祭(1月第3日曜):豊作を祈る農耕神事で、舞の奉納のあとに多くの芸能が披露されます。「天野の御田祭」として和歌山県指定無形民俗文化財に指定されています。
  • 花盛祭(4月第2日曜):春の訪れを祝う祭礼で、午後には、中世に和歌浦の玉津島神社へ神輿が巡幸した「浜降り神事」を再現した神輿渡御が行われます。
  • 夏越の大祓(6月30日):半年の穢れを祓う神事で、大茅の輪くぐりが行われます。
  • 例祭(10月16日):年間で最も重要な祭典で、皇室と国家の繁栄などが祈られます。
  • 月次祭(毎月16日):毎月16日の朝に営まれる祭典で、この日はご神犬の公開と、御朱印へのご神犬の判の押印があります(10月を除く)。

周辺のグルメ・観光

  • 二つ鳥居(高野山町石道):高野山の表参道・町石道から丹生都比売神社へ分かれる枝道の分岐点に並ぶ二基の鳥居で、世界遺産の参詣道の一部です。高野山参拝前にここから神社へ参拝する習わしがありました。
  • 天野和み処cafe客殿:神社から徒歩約3分の古民家カフェで、天野で育った米を使った食事が楽しめます。営業日が限られるため、事前に確認すると安心です。
  • 天野の里物産直売所 ようよって:第二駐車場の近くにある直売所で、地元で採れた野菜や果物、お米などを扱っています。営業日は土・日・祝日が中心です。

よくある質問

Q. 参拝時間は?
A. 境内は基本的にいつでも参拝でき、拝観は無料です。授与所(お守り・御朱印)は8:45〜16:30、ご祈祷の受付は9:00〜15:00です。
Q. 御朱印は?
A. 授与所で8:45〜16:30に受け付けており、直書き・書き置きのどちらも対応しています。初穂料は500円です。毎月16日の月次祭にはご神犬の判が押されます。
Q. 駐車場はありますか?
A. 第一・第二駐車場(無料)があり、合わせて約60台とめられます。正月期間には臨時駐車場も開設されます。
Q. なぜ高野山の守り神といわれるのですか?
A. 弘法大師(空海)が高野山を開く際、丹生都比売大神が神領を譲ったと伝わるためです。社殿は高野山の入り口にあたる天野の里に鎮座します。
Q. アクセス方法は?
A. JR和歌山線「笠田駅」からかつらぎ町コミュニティバス(天野コース)で約30分、終点「丹生都比売神社」下車すぐです。車では京奈和自動車道「かつらぎ西IC」から約20分です。

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