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猿田彦神社

猿田彦神社

さるたひこじんじゃ・三重県伊勢市

写真: Takawikim / CC BY-SA 4.0

写真

由緒

猿田彦神社は、「みちひらきの大神」と称えられる猿田彦大神と、その裔である大田命(おおたのみこと)をお祀りする神社です。『古事記』『日本書紀』によれば、猿田彦大神は天照大御神の孫にあたる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原から地上へ降臨される「天孫降臨」に際し、天の八衢(やちまた)に立って道案内を務め、高千穂への道を啓(ひら)かれたと伝えられています。この功績により、猿田彦大神は「みちひらきの神」として、物事の最初にあらわれてすべてを良い方向へ導く神とされてきました。

道案内の役目を終えた猿田彦大神は、随行した天宇受売命(あめのうずめのみこと)とともに、自らの本拠地である「伊勢の狭長田(さなだ)五十鈴の川上」の地に戻られ、この地をはじめ全国の開拓にあたられたと伝わります。二柱はのちに夫婦となり、天宇受売命はその名を「猿女君(さるめのきみ)」と改めたとされ、この由緒により境内の佐瑠女神社に祀られています。

その裔である大田命は、垂仁天皇の御代、天照大御神をお祀りするのにふさわしい地を求めて諸国を巡っていた倭姫命(やまとひめのみこと)を五十鈴川の川上に出迎え、この地を奉献して神宮(内宮)創建の礎を築いたと伝えられます。以来、大田命の子孫である宇治土公家(うじとこけ)は、伊勢神宮の玉串大内人(たまぐしおおうちんど)という重要な神職を代々世襲し、式年遷宮に際して心御柱(しんのみはしら)や御船代(みふなしろ)を造る役目も担ってきました。猿田彦神社は、もとはこの宇治土公家が祖神・猿田彦大神と大田命を私邸内にお祀りした屋敷神を起源とし、延宝5年(1677年)に現在地へ遷座、明治時代に神職の世襲制度が廃止されたのにともない、公に参拝できる神社として改めて創建されました。

全国には猿田彦大神を祀る神社が2,000社以上あるとされ、三重県鈴鹿市の椿大神社が総本宮を称する一方、伊勢神宮のすぐそばに鎮座し、大田命による神宮創建の由緒を直接伝える猿田彦神社もまた、その中核をなす古社として篤い信仰を集めています。

見どころ

拝殿前に据えられた「方位石」は、全方位を意味する八角形の石柱で、猿田彦大神が方除けの神であることにちなむ見どころです。仕事運・金運・家庭運・人気運など願い事によって、石の面に触れる順番が異なるとされ、参拝者に親しまれています。本殿は「さだひこ造り」と呼ばれる独自の様式で、屋根の鰹木や柱、欄干にいたるまで随所に八角形の意匠が用いられ、方位を司る御祭神の神徳を表しています。

拝殿に向かい合うように鎮座するのが、天宇受売命をお祀りする佐瑠女神社です。天宇受売命は天孫降臨の際に猿田彦大神を出迎え、のちにその妻となったことから、芸能・芸術・技芸の上達や、良縁・夫婦円満のご利益で知られ、俳優や芸能人の参拝も多いお社です。境内にはこのほか、国歌「君が代」にも詠まれる縁起の良い「さざれ石」も奉納されています。

参拝のポイント

猿田彦神社は伊勢神宮内宮から徒歩約10分という近さに鎮座しており、内宮とあわせて巡拝する参拝者が数多く見られます。「みちひらきの神」であることにちなみ、外宮参拝のあとにまず猿田彦神社へ立ち寄って心新たに祈願し、その後に内宮へ向かうという順路がすすめられることが多く、転職や引っ越し、新しい挑戦を控えた参拝者にも人気です。内宮参拝とおかげ横丁・おはらい町での食べ歩きを楽しんだ帰りに立ち寄るという巡り方も一般的です。

御朱印や御祈祷の受付は8:30〜17:00までとなるため、内宮とあわせて参拝する場合は時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。

年中行事・お祭り

  • 春季例祭(4月4日・5日)― 年に2度の大祭のひとつ。4日の夕刻に行われる「宵宮祭」は、明かりをすべて消し、ろうそくの灯りのみで執り行われる厳粛な神事です。
  • 御田祭(5月5日)― 桃山時代の装束をまとった植方が「田楽のはやし」にあわせて早苗を植える神事で、豊作を祈願します。三重県指定無形民俗文化財。
  • 佐瑠女神社例祭(8月17日・18日)― 提灯の飾りつけや奉納芸能が行われる、佐瑠女神社の例祭です。
  • 秋季例祭(11月4日・5日)― 春季例祭と対をなす、年2度の大祭のもう一方です。
  • 七五三祭(11月15日)― 子供の健やかな成長を祈願する神事です。

周辺のグルメ・観光

伊勢神宮内宮まで徒歩約10分という好立地にあり、内宮参拝の前後に立ち寄る観光客が多く見られます。

  • 伊勢神宮 内宮(皇大神宮)― 徒歩約10分。天照大御神をお祀りする日本を代表する古社で、猿田彦神社とあわせて巡拝する参拝者がほとんどです。
  • おかげ横丁・おはらい町― 内宮の宇治橋前から続く門前町で、伊勢うどんや赤福などの名物グルメ、土産物店が軒を連ねる人気の散策スポットです。
  • 五十鈴川― 猿田彦神社と内宮の間を流れる清流で、川沿いの散策も楽しめます。

よくある質問

Q. 御朱印はいただけますか?
A. はい、8:30〜17:00の受付で、初穂料500円でいただけます。境内の佐瑠女神社の御朱印も同じく500円です。
Q. 参拝時間・受付時間は?
A. 境内への参拝は終日可能です。御朱印やお守りを受けられる授与所、御祈祷の受付は8:30〜17:00(神楽の受付は16:00まで)となります。
Q. 駐車場はありますか?
A. 境内に参拝者用駐車場があります。入庫30分は無料、御祈祷参拝中は駐車料金も無料です。台数に限りがあるため、混雑時は周辺のコインパーキングもあわせて利用してください。
Q. アクセス方法は?
A. 三重交通バス「猿田彦神社前」で下車するとすぐです。このバス停には伊勢神宮内宮前・宇治山田駅前・伊勢市駅前を結ぶ路線が発着しており、内宮までは徒歩約10分です。JR・近鉄「伊勢市駅」や近鉄「宇治山田駅」からはタクシーで5〜10分ほどです。
Q. 方位石とはどんなものですか?
A. 拝殿前に据えられた八角形の石柱で、御祭神・猿田彦大神が全方位を守護する「方除けの神」であることにちなみます。仕事運・金運・家庭運・人気運など願い事によって触れる面の順番が異なるとされ、参拝の際の見どころのひとつになっています。

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