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田村神社

田村神社

たむらじんじゃ・香川県高松市

写真: Reggaeman / CC BY-SA 3.0

写真

由緒

田村神社は、香川県高松市一宮町に鎮座する讃岐国一宮です。社伝によれば、社殿が建てられるよりもはるか昔、「定水井(さだみずのい)」と呼ばれる深い井戸にいかだを浮かべ、その上に神を祀っていたのが始まりとされています。正式な社殿の創建は和銅2年(709年)、僧・行基によるものと伝わり、この井戸=深淵の真上に社殿を建てたという、通常の神社建築とは大きく異なる成り立ちを持っています。

嘉祥2年(849年)には従五位下に叙せられ、延長5年(927年)にまとめられた『延喜式神名帳』には「讃岐国香川郡 田村神社」として名神大社に列せられました。以後、讃岐国一宮として篤い崇敬を集め、建仁元年(1201年)には神階の最高位である正一位に叙せられています。中世には兵火により社殿を失うこともありましたが、そのたびに歴代領主・藩主の手で再建・修復が重ねられ、近代の社格制度では国幣中社に列し、現在は神社本庁の別表神社となっています。境内に伝わる「田村神社古神宝類」は国の重要文化財に、長禄4年(1460年)の「讃岐国一宮田村大社壁書」は高松市指定有形文化財に指定されています。

御祭神

田村神社では、次の5柱を総称して「田村大神」としてお祀りしています。

  • 倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと) - 第7代孝霊天皇の皇女で、大物主神との神婚伝説で知られる巫女的な女神。
  • 五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと) - 別名・吉備津彦命。倭迹迹日百襲姫命の弟にあたり、吉備国平定の英雄として知られる。
  • 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ) - 天孫降臨の際に道案内を務めたとされる導きの神。
  • 天隠山命(あめのかぐやまのみこと) - 別名・高倉下命。神武天皇に神剣を献上したと伝わる神。
  • 天五田根命(あめのいたねのみこと) - 別名・天村雲命。高倉下命の子で、農業や雨雲に縁の深い神とされる。

いずれも水・農耕・国土開拓に関わりの深い神々で、当社が古くから水神信仰を基盤とする神社であったことをうかがわせます。

見どころ

田村神社最大の見どころは、本殿の奥にある「奥殿」の床下に今も残る深い淵です。奥殿の床は厚板で覆われ、真夏でも底冷えするような冷気が漂うと伝えられており、「淵には龍神が棲み、覗いた者は命を落とす」として、今日に至るまで一度も開かれたことがないといいます。地元では、社殿がこの底知れぬ淵の真上に建てられているという特異な建築様式そのものが、水神・龍神への深い畏敬の表れとされています。

境内には黄金に輝く「金龍」の像も祀られており、小判をお供えして祈願すると富貴に恵まれるという言い伝えから、金運のパワースポットとしても知られています。ほかにも龍神社や、神池のほとりを巡る七福神めぐりなど、水と龍にまつわる見どころが境内のあちこちに点在しています。毎週日曜日の朝には境内で朝市が開かれ、名物の讃岐うどんを味わうこともできます。

参拝のポイント

ことでん一宮駅から歩く場合は徒歩10〜15分ほどかかるため、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。境内は終日参拝できますが、御朱印や授与品をいただける社務所の受付は9:00〜17:00までなので、御朱印目当てで訪れる場合はこの時間内に立ち寄りましょう。無料駐車場も約70台分用意されているため、車での参拝もしやすい神社です。

奥殿の深淵は普段は目にすることができませんが、その存在を意識しながら本殿・奥殿を参拝すると、この神社ならではの荘厳な空気をより深く感じられるはずです。

年中行事・お祭り

  • 春季例大祭・御蚊帳垂神事(5月7日・8日):夏を前に神前へ蚊帳を垂らす、当社ならではの珍しい神事です。
  • 秋季例大祭・御蚊帳徹神事(10月7日・8日):春に垂らした蚊帳を取り外す神事で、春季例大祭と対をなす年中行事です。
  • 節分祭(2月上旬):厄を祓い、福を招く豆まきの神事。
  • 夏詣(7月1日〜8月31日):期間限定の御朱印も授与される夏の参拝行事。

周辺のグルメ・観光

  • 高松空港:田村神社から車で約15分。四国の空の玄関口で、参拝の行き帰りに立ち寄りやすい立地です。
  • ことでん一宮駅:田村神社の最寄り駅。高松琴平電気鉄道琴平線で高松市中心部や琴平方面へのアクセスも良好です。
  • 高松城跡(玉藻公園):田村神社から車で市街地方面へ。瀬戸内海の海水を引き入れた珍しい水城として知られる史跡です。

よくある質問

Q. 参拝時間や社務所の受付時間は?
A. 境内は終日参拝いただけますが、御朱印やお守りをいただける社務所の受付は9:00〜17:00です。
Q. 御朱印はいただけますか?
A. はい、初穂料500円(直書き)でいただけます。ほかに龍体示現御朱印(500円、大判1,000円)や切絵御朱印(1,500円)などもあり、御朱印帳は初穂料1,500円です。受付時間は9:00〜17:00です。
Q. 駐車場はありますか?
A. 境内に無料駐車場があり、約70台分のスペースがあります。
Q. アクセス方法は?
A. ことでん琴平線「一宮駅」から徒歩約10〜15分、ことでんバス「一宮」バス停からは徒歩約1分です。車の場合は高松西ICから約10分です。
Q. 本殿の下にあるという井戸の伝説とは?
A. 奥殿の床下には深い淵(定水井)があり、厚板で覆われて開かれたことがないと伝えられています。社伝では、社殿が建てられる以前はこの井戸にいかだを浮かべ、その上に神を祀っていたとされ、淵には龍神が棲み、覗いた者は命を落とすという言い伝えから「定水大明神」の異称でも呼ばれています。

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