由緒
筑波山神社は、茨城県つくば市にそびえる筑波山(標高877m)そのものを御神体とする古社です。筑波山は「日本百名山」にも数えられ、古くから「紫峰」とも呼ばれて、関東平野に二つの頂を並べる姿が信仰の対象となってきました。
御祭神は、国生み・神生みの神として知られる伊弉諾尊(筑波男大神)と伊弉冊尊(筑波女大神)の二柱です。社伝によれば、神武天皇の紀元元年に男体・女体の両宮が創祀され、崇神天皇の御代には筑波国が置かれて筑波命が国造に任じられたとされます。『常陸国風土記』には、祖神が富士山に宿を求めて断られ、筑波山ではもてなされたという話が記されており、その後の筑波山は人々が集い、歌い舞い、飲食を楽しむ山となったと伝えられています。
平安時代の弘仁14年(823年)に従五位下を授けられ、『延喜式』(927年)では男神が名神大社、女神が小社に列せられた式内社です。江戸時代には、徳川家康が江戸城の鎮護の山として崇敬し、慶長7年(1602年)に神領500石を寄進。寛永10年(1633年)には三代将軍徳川家光が社殿を造営寄進しました。明治6年(1873年)に県社となり、現在は神社本庁の別表神社です。
境内と山頂の本殿
山麓から山頂まで、筑波山全体が神域となっています。参拝の中心となる拝殿は標高約270mの南向き中腹にあり、ここから男体山・女体山の両峰を遥拝します。
- 随神門:拝殿へ続く八脚の楼門で、県内随一の規模を誇ります。寛永10年(1633年)に家光が寄進しましたが、宝暦4年(1757年)と明和4年(1767年)に焼失し、現在の門は文化8年(1811年)の再建です。つくば市指定文化財です。
- 御神橋:切妻造の屋根を持つ朱塗りの橋で、寛永10年(1633年)に家光が寄進したもの。県指定文化財で、一般に渡れるのは御座替祭(4月1日・11月1日)と年越祭(2月10日・11日)の間だけです。
- 拝殿:割拝殿形式の建物で、こちらも寛永10年(1633年)に家光が寄進した県指定文化財です。
- 男体山御本殿(871m)・女体山御本殿(877m):伊弉諾尊を男体山に、伊弉冊尊を女体山にお祀りしています。山頂の本殿には、ケーブルカーやロープウェイ、あるいは登山で向かいます。
- 紫峰杉:推定樹齢約800年、高さ約40m、幹周約7mの大杉で、御神木として親しまれています。
文化財
筑波山神社が所蔵する「太刀 銘 吉宗(附 絲巻太刀拵)」は国の重要文化財に指定されています。鎌倉時代の作で、寛永10年(1633年)に筑波山中禅寺の堂塔再建が成った際に徳川家光から寄進されたもの。拵の柄や鞘の金具には葵の紋が散りばめられています。
このほか、御神橋・拝殿・境内社の春日神社本殿と日枝神社本殿(両社拝殿を含む)・厳島神社本殿が茨城県指定文化財、随神門がつくば市指定文化財となっています。
年中行事
- 御座替祭(4月1日・11月1日):春と秋に、男体山・女体山の御神体の御座(神様の着物)を新しいものに取り替える、年間を通じて最も重要なお祭りです。この日は御神橋を渡ることができます。
- 年越祭(2月10日・11日):男女約600人が福豆などをまく節分の神事で、この間も御神橋を渡れます。
- 大祓(6月30日・12月31日):半年間の穢れを祓う神事です。
御朱印
御朱印の初穂料は1体500円。筑波山神社、男体山御本殿、女体山御本殿、恵比寿神(常陸七福神)の4種類をいただけます。授与時間はおおむね9:00〜16:30頃です。通常は御朱印帳への直書きにも対応していますが、2026年初めには書き置きのみの臨時対応が行われた時期もありました。時期によって対応が変わるため、訪問前に社務所(029-866-0502)へ確認すると安心です。
アクセス・参拝情報
電車の場合は、つくばエクスプレス「つくば駅」から筑波山シャトルバスで約40分、「筑波山神社入口」で下車します。秋葉原からつくば駅までは約45分です。車の場合は常磐自動車道「土浦北IC」から国道125号経由で約40分。神社の有料駐車場は1日500円で、ご祈祷の方は無料となります。つくば市営駐車場や民間の有料駐車場も利用できます。
境内の参拝は自由で、拝観料はかかりません。社務所の受付は9:00〜16:30頃で、お問い合わせは029-866-0502(9:00〜17:00)です。
山頂へのアクセス(ケーブルカー・ロープウェイ)
山頂の御本殿へは、登山のほか、筑波観光鉄道のケーブルカーとロープウェイが利用できます。宮脇駅から筑波山頂駅までのケーブルカーは約8分、つつじヶ丘から女体山駅までのロープウェイは約6分です。
ただし、2026年9月25日以降、ケーブルカーは安全確認のため当面運休となっており(再開時期は未定)、2027年2月には新型車両が導入される予定です。ロープウェイは通常どおり運行しています(9:20〜17:00頃、冬季は短縮)。最新の運行状況は筑波観光鉄道の公式サイトでご確認ください。
周辺のグルメ・観光
- 筑波山ロープウェイ:つつじヶ丘から女体山駅まで約6分。関東平野を見渡せる、女体山御本殿への近道です。
- 筑波山ケーブルカー 宮脇駅:男体山側の山頂駅へ約8分で上がれる鉄道。現在は運休中で、2027年2月の新型車両導入が予定されています。
- 筑波山ホテル青木屋:神社から車で約5分。個室で伝統的な和食をいただける宿で、参拝後の食事にも向いています。
よくある質問
- Q. 筑波山神社には何の神様がまつられていますか?
- A. 日本の国土と神々を生んだ夫婦神、伊弉諾尊(筑波男大神)と伊弉冊尊(筑波女大神)がまつられています。伊弉諾尊は男体山(標高871m)、伊弉冊尊は女体山(標高877m)の山頂の御本殿にお祀りされており、山麓の拝殿から両峰を遥拝します。夫婦の神様であることから、縁結びや夫婦円満の信仰を集めています。
- Q. 筑波山神社の御朱印はいただけますか。初穂料はいくらですか?
- A. いただけます。初穂料は1体500円で、筑波山神社、男体山御本殿、女体山御本殿、恵比寿神(常陸七福神)の4種類があります。授与時間はおおむね9:00〜16:30です。通常は御朱印帳への直書きにも対応していますが、時期によって書き置きのみの臨時対応となることがあるため、事前に社務所(029-866-0502)へ確認すると安心です。
- Q. 筑波山神社に駐車場はありますか?
- A. 神社の有料駐車場があり、料金は1日500円です。ご祈祷を受ける方は受付で駐車券を出してもらうと無料になります。そのほか、つくば市営駐車場や民間の有料駐車場も利用できます。繁忙期の元日や紅葉の時期は混み合うため、早めの到着がおすすめです。
- Q. 御座替祭とはどのようなお祭りですか?
- A. 毎年4月1日と11月1日に行われる筑波山神社の大祭で、春と秋に御神体の御座(神様の着物)を新しいものに取り替える神事です。この両日と、2月10日・11日の年越祭の間だけは、普段は渡れない県指定文化財の御神橋を参拝者が渡ることができます。
- Q. 電車とバスで行く場合のアクセスを教えてください。
- A. つくばエクスプレスで秋葉原から「つくば駅」まで約45分、つくば駅(つくばセンター)から筑波山シャトルバスに乗り換えて約40分で「筑波山神社入口」に着きます。バス停から神社の随神門までは徒歩圏です。車の場合は常磐自動車道「土浦北IC」から国道125号経由で約40分です。



