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鷲宮神社

鷲宮神社

わしのみやじんじゃ・埼玉県久喜市

写真: Ocdp / CC BY-SA 3.0

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由緒

鷲宮神社は、公式サイトで「出雲族の草創に係る関東最古といわれる大社」と伝えられる、埼玉県久喜市鷲宮に鎮座する古社です。社伝によれば、神代の昔、天穂日命とその御子・武夷鳥命が昌彦・昌武父子ほか二十七人の部族を率いてこの地に至り、大己貴命(大国主命)を祀る神崎神社を建てたのが始まりとされます。その後、天穂日命の御霊徳を崇めて建てられた別宮が現在の本殿にあたると伝えられています。

崇神天皇の御代には太田々根子命が祭祀を司り、豊城入彦命・彦狭島命・御諸別王らが幣帛を奉納したと伝わり、景行天皇の御代には日本武尊が東国平定の際に当社の神威を崇めて社殿を造営し、あわせて武夷鳥命を相殿に祀ったとされます。桓武天皇の御代には征夷大将軍・坂上田村麻呂が武運長久を祈願し、奥州鷲の巣(現在の宮城県)に当社の分社を祀ったとも伝えられています。

中世以降は関東の総社・関東鎮護の神として武将から篤い崇敬を受け、藤原秀郷、源義家、源頼朝、源義経、北条時頼、北条貞時、新田義貞、足利氏歴代、古河公方、関東管領上杉氏歴代、徳川家康など、歴史に名を残す武将たちが幣帛の奉納や神領の寄進、社殿の造営を行いました。中でも江戸時代には徳川家より四百石という破格の神領を与えられ、歴代将軍の朱印状が今も伝わっています。明治時代には神祇官により准勅祭社に定められ、勅使参向のもと幣帛が奉納されたほか、明治天皇の行幸の際には御少憩の栄に浴し、昭和天皇の御代にも幣帛を賜りました。

現在の御祭神は天穂日命・武夷鳥命・大己貴命の三柱で、商売繁盛・開運招福・縁結び・家内安全・交通安全など幅広いご利益で知られています。また「お酉様の本社」としても知られ、11月の酉の日に行われる「お酉様」(酉の市)発祥の地の一社ともいわれています。

鷲宮催馬楽神楽

鷲宮神社に伝わる「鷲宮催馬楽神楽(土師一流催馬楽神楽)」は、関東地方に広く分布する神楽の源流のひとつとされ、1976年(昭和51年)5月4日に国の重要無形民俗文化財に指定されました。大太鼓・小太鼓・笛などの囃子にあわせて舞人が神歌・催馬楽を歌いながら採物を持って舞う様式で、「神詠」「榊」「国堅」「猿田彦」など12座に別座を加えた演目で構成されています。

神楽は年6回、1月1日(元旦祭)、2月14日、4月10日(春季祭)、7月31日、10月10日(例大祭)、12月の初酉の日(大酉祭)に境内の神楽殿で奉納されており、参拝者は無料で見学することができます。悠久の歴史を伝える貴重な民俗芸能として、今なお地域の人々の手で大切に継承されています。

現代の聖地巡礼「らき☆すた」ブーム

鷲宮神社は、古くからの由緒ある大社であると同時に、2007年放送のテレビアニメ「らき☆すた」の聖地としても全国的に知られています。原作者が埼玉県出身であったことから、作中で主人公姉妹の実家として登場する神社のモデルに鷲宮神社が選ばれ、放送開始からわずか数か月のうちに全国のファンが実際の鳥居や境内を訪れる「聖地巡礼」を始めました。この現象は、現在につながる日本のアニメ聖地巡礼ブームの草分け的な事例として、大学の観光研究などでもたびたび取り上げられています。

境内には、ファンがアニメキャラクターを描いて奉納する「痛絵馬」が数多く並び、この鷲宮神社が「痛絵馬」文化発祥の地ともいわれています。2008年には、地元の「土師祭」の神輿会とファンの有志により「らき☆すた神輿」が制作され、同年9月7日の土師祭で初めてお披露目されました。このときは全国から約120名のファンが担ぎ手として参加し、例年3万人ほどの人出だった祭りに約5万人が訪れたと伝えられています。その後も担ぎ手を求める声を受けて神輿の運行は続けられ、2018年以降は夏の八坂祭で担がれるようになり、現在に至るまでファンと地域住民との交流を支える存在になっています。地元の鷲宮商店街でも、らき☆すたグッズを扱う店舗や関連イベントが今も見られ、伝統的な鎮守の杜と現代のポップカルチャーが共存する珍しい光景を作り出しています。

参拝のポイント

境内への参拝そのものは終日可能ですが、御朱印やお守りの授与、御祈祷の受付は9:00〜16:00です。由緒ある本殿や、桜門とも呼ばれる神門、江戸期以来の風格を残す社殿とあわせて、痛絵馬が奉納された絵馬掛けもぜひ見ておきたいスポットです。神楽殿での催馬楽神楽奉納にあわせて参拝すれば、悠久の伝統文化に触れることもできます。境内に無料の参拝者用駐車場(約60台)があるため、車での参拝もしやすい神社です。

年中行事・お祭り

  • 春季祭(4月10日)・例大祭(10月10日):鷲宮催馬楽神楽が奉納される年間最大級の祭事のひとつです。
  • 大酉祭(12月の初酉の日):「お酉様の本社」として知られる鷲宮神社の一年の締めくくりを飾る祭事で、多くの参拝者で賑わいます。
  • 八坂祭(7月):夏に行われる祭礼で、2018年以降は「らき☆すた神輿」もこの祭りで担がれています。

アクセス・駐車場

最寄り駅は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)「鷲宮駅」で、徒歩8分でアクセスできます。JR宇都宮線「東鷲宮駅」からは朝日自動車バスに乗り「鷲宮神社入口」バス停で下車、徒歩1分です。車で訪れる場合は境内に無料の参拝者用駐車場(約60台)が用意されています。

周辺のグルメ・観光

  • 鷲宮商店街:「らき☆すた」ゆかりのグッズを扱う店舗が点在する参道沿いの商店街で、聖地巡礼の参拝者と地元住民との交流の場にもなっています。
  • 菖蒲城趾あじさい園:久喜市内にある四季の花々が楽しめるスポットで、初夏には多彩なあじさいが見頃を迎えます。
  • 東武動物公園:動物園と遊園地、プールが一体になった大型レジャー施設で、鷲宮神社から電車・車で足を延ばしやすい久喜市周辺の定番観光地です。

よくある質問

Q. 鷲宮神社の御朱印の受付時間と初穂料は?
A. 御朱印の受付時間は9:00〜16:00、通常の御朱印の初穂料は500円です。鷲宮催馬楽神楽や社殿にちなむ特別御朱印(初穂料1,000円)が頒布されることもあり、御朱印帳への直書きではなく御朱印紙でのお渡しとなります。
Q. 鷲宮神社に駐車場はありますか?
A. 境内に参拝者用駐車場があり、約60台分を無料で利用できます。東武伊勢崎線「鷲宮駅」からも徒歩8分と近く、電車でのアクセスも便利です。
Q. 鷲宮神社が「関東最古の大社」と呼ばれるのはなぜですか?
A. 鷲宮神社は公式に「出雲族の草創に係る関東最古といわれる大社」と伝えています。神代の昔に出雲の一族が当地に社を築いたとする社伝に基づく呼称で、創建年代を裏づける確実な文献史料があるわけではありませんが、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にもたびたび登場するなど、関東の武士から古くより篤く崇敬されてきた由緒ある大社であることは間違いありません。
Q. 鷲宮神社と「らき☆すた」の聖地巡礼について教えてください。
A. 2007年放送のアニメ「らき☆すた」の作中に登場する神社のモデルとなったことから、放送開始からわずか数か月で全国のファンが参拝に訪れるようになり、現在の「アニメ聖地巡礼」ブームの草分けの一つとされています。境内にはアニメキャラクターが描かれた「痛絵馬」が数多く奉納されているほか、2008年にはファンの手による「らき☆すた神輿」が誕生し、現在も夏の八坂祭で担がれています。ただし鷲宮神社は本来、神代からの歴史を伝える関東屈指の古社であり、催馬楽神楽をはじめとする伝統文化財も数多く受け継がれています。
Q. 鷲宮神社へのアクセス方法は?
A. 東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)「鷲宮駅」から徒歩8分が最も便利です。JR宇都宮線「東鷲宮駅」からは朝日自動車バスに乗り、「鷲宮神社入口」バス停で下車して徒歩1分でも到着できます。

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